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-.\" Japanese Version Copyright (c) 2001 NAKANO Takeo all rights reserved.
-.\" Translated Thu Aug 16 2001 by NAKANO Takeo <nakano@apm.seikei.ac.jp>
+.\"*******************************************************************
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-.TH SLABINFO 5 2007-09-30 "" "Linux Programmer's Manual"
-.SH ̾Á°
-/proc/slabinfo \- ¥«¡¼¥Í¥ë slab ¥¢¥í¥±¡¼¥¿¤ÎÅý·×
-.SH ½ñ¼°
-.B cat /proc/slabinfo
-.SH ÀâÌÀ
-Linux ¥«¡¼¥Í¥ë¤ÎÆâÉô¤ÇÎɤ¯ÍøÍѤµ¤ì¤ë¥ª¥Ö¥¸¥§¥¯¥È
-(¥Ð¥Ã¥Õ¥¡¥Ø¥Ã¥É¡¢i-¥Î¡¼¥É¡¢¥Ç¥£¥ì¥¯¥È¥ê¡¦¥¨¥ó¥È¥ê¤Ê¤É)
-¤Ï¡¢¤½¤ì¤¾¤ì¼«Ê¬ÍѤΥ¥ã¥Ã¥·¥å¤òÈ÷¤¨¤Æ¤¤¤ë¡£¥Õ¥¡¥¤¥ë
-.I /proc/slabinfo
-¤Ï¤³¤ì¤é¤ÎÅý·×¤òÍ¿¤¨¤ë¡£Îã¤ò¼¨¤¹¡£
+.\" This file was generated with po4a. Translate the source file.
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+.\"*******************************************************************
+.TH SLABINFO 5 2007\-09\-30 "" "Linux Programmer's Manual"
+.SH 名前
+/proc/slabinfo \- カーネル slab アロケータの統計
+.SH 書式
+\fBcat /proc/slabinfo\fP
+.SH 説明
+Linux カーネルの内部で良く利用されるオブジェクト (バッファヘッド、i\-ノード、ディレクトリ・エントリなど)
+は、それぞれ自分用のキャッシュを備えている。ファイル \fI/proc/slabinfo\fP はこれらの統計を与える。例を示す。
.LP
.in +4n
.nf
buffer_head 67131 71240 96 1776 1781 1
vm_area_struct 1204 1652 64 23 28 1
\&...
-size-8192 1 17 8192 1 17 2
-size-4096 41 73 4096 41 73 1
+size\-8192 1 17 8192 1 17 2
+size\-4096 41 73 4096 41 73 1
\&...
.fi
.in
.LP
-¤½¤ì¤¾¤ì¤Î slab ¥¥ã¥Ã¥·¥å¤´¤È¤Ë¡¢¥¥ã¥Ã¥·¥å¤Î̾Á°¡¢
-¸½ºß¥¢¥¯¥Æ¥£¥Ö¤Ê¥ª¥Ö¥¸¥§¥¯¥È¤Î¿ô¡¢ÍøÍѲÄǽ¤Ê¥ª¥Ö¥¸¥§¥¯¥È¤ÎÁí¿ô¡¢
-³Æ¥ª¥Ö¥¸¥§¥¯¥È¤Î¥µ¥¤¥º (¥Ð¥¤¥Èñ°Ì)¡¢¾¯¤Ê¤¯¤È¤â°ì¤Ä¤Î¥¢¥¯¥Æ¥£¥Ö¤Ê
-¥ª¥Ö¥¸¥§¥¯¥È¤òͤ¹¤ë¥Ú¡¼¥¸¤Î¿ô¡¢¥¢¥í¥±¡¼¥È¤µ¤ì¤¿¥Ú¡¼¥¸¤ÎÁí¿ô¡¢
-slab ¤¢¤¿¤ê¤Î¥Ú¡¼¥¸¿ô¡¢¤¬Í¿¤¨¤é¤ì¤Æ¤¤¤ë¡£
+それぞれの slab キャッシュごとに、キャッシュの名前、 現在アクティブなオブジェクトの数、利用可能なオブジェクトの総数、 各オブジェクトのサイズ
+(バイト単位)、少なくとも一つのアクティブな オブジェクトを有するページの数、アロケートされたページの総数、 slab
+あたりのページ数、が与えられている。
-¤Ê¤ª¡¢
-¥ª¥Ö¥¸¥§¥¯¥È¤Î¥¢¥é¥¤¥ó¥á¥ó¥È¤È slab ¥¥ã¥Ã¥·¥å¤Î¥ª¡¼¥Ð¡¼¥Ø¥Ã¥É¤È¤Ë¤è¤ê¡¢
-¥ª¥Ö¥¸¥§¥¯¥È¤ÏÄ̾ï¥Ú¡¼¥¸¤ÎÆâÉô¤Ë¤¤Ã¤Á¤ê¤È¤Ï¼ý¤á¤é¤ì¤Æ¤¤¤Ê¤¤¡£
-ÍøÍÑÃæ¤Î¥ª¥Ö¥¸¥§¥¯¥È¤ò¤Ò¤È¤Ä¤Ç¤âÊÝ»ý¤·¤Æ¤¤¤ë¥Ú¡¼¥¸¤Ï¡¢
-ÍøÍÑÃæ¤Ç¤¢¤ë¤È¤ß¤Ê¤µ¤ì¡¢²òÊü¤Ç¤¤Ê¤¤¡£
+なお、 オブジェクトのアラインメントと slab キャッシュのオーバーヘッドとにより、 オブジェクトは通常ページの内部にきっちりとは収められていない。
+利用中のオブジェクトをひとつでも保持しているページは、 利用中であるとみなされ、解放できない。
-slab ¥¥ã¥Ã¥·¥åÅý·×¤Îµ¡Ç½¤ò͸ú¤Ë¤·¤Æ¥³¥ó¥Ñ¥¤¥ë¤µ¤ì¤¿¥«¡¼¥Í¥ë¤Ç¤Ï¡¢
-½ÐÎϤκǽé¤Î¹Ô¤Ë "(statistics)" ¤Èɽ¼¨¤µ¤ì¡¢ 5 ¤Ä¤Î¥«¥é¥à¤¬Äɲ䵤ì¤ë¡£
-¤½¤ì¤¾¤ì¡¢¥¢¥¯¥Æ¥£¥Ö¤Ê¥ª¥Ö¥¸¥§¥¯¥È¤Î½Ö´ÖºÇÂçÃÍ¡¢
-.\"nakano ¤Ç¤¤¤¤¤Î¤«¤Ê¤¢ > high water mark
-¥ª¥Ö¥¸¥§¥¯¥È¤¬¥¢¥í¥±¡¼¥È¤µ¤ì¤¿²ó¿ô¡¢
-¥¥ã¥Ã¥·¥å¤ÎÂ礤µ¤¬³ÈÄ¥¤µ¤ì¤¿
-(¿·¤·¤¤¥Ú¡¼¥¸¤¬¤³¤Î¥¥ã¥Ã¥·¥å¤ËÄɲ䵤줿) ²ó¿ô¡¢
-¥¥ã¥Ã¥·¥å¤ÎÂ礤µ¤¬½Ì¾®¤µ¤ì¤¿
-(»È¤Ã¤Æ¤¤¤Ê¤¤¥Ú¡¼¥¸¤¬¤³¤Î¥¥ã¥Ã¥·¥å¤«¤éºï½ü¤µ¤ì¤¿) ²ó¿ô¡¢
-¿·¤¿¤Ê¥Ú¡¼¥¸¤ò¤³¤Î¥¥ã¥Ã¥·¥å¤Ë¥¢¥í¥±¡¼¥È¤¹¤ëºÝ¤Ëµ¯¤¤¿¥¨¥é¡¼¤Î²ó¿ô¡¢¤Ç¤¢¤ë¡£
-slab ¥¥ã¥Ã¥·¥åÅý·×¤¬»È¤¨¤Ê¤¤¥«¡¼¥Í¥ë¤Ç¤Ï¡¢¤³¤ì¤é¤Î¥«¥é¥à¤Ïɽ¼¨¤µ¤ì¤Ê¤¤¡£
+slab キャッシュ統計の機能を有効にしてコンパイルされたカーネルでは、 出力の最初の行に "(statistics)" と表示され、 5
+つのカラムが追加される。 それぞれ、アクティブなオブジェクトの瞬間最大値、 オブジェクトがアロケートされた回数、 キャッシュの大きさが拡張された
+(新しいページがこのキャッシュに追加された) 回数、 キャッシュの大きさが縮小された (使っていないページがこのキャッシュから削除された) 回数、
+新たなページをこのキャッシュにアロケートする際に起きたエラーの回数、である。 slab
+キャッシュ統計が使えないカーネルでは、これらのカラムは表示されない。
-SMP ¥·¥¹¥Æ¥à¤Ç¤Ï¡¢½ÐÎϤκǽé¤Î¹Ô¤Ë "(SMP)" ¤Èɽ¼¨¤µ¤ì¡¢
-³Æ slab ¤´¤È¤Ë 2 ¤Ä¤Î¥«¥é¥à¤¬Äɲ䵤ì¤ë¡£
-¤³¤ì¤é¤Ï³Æ CPU ¤¬»ý¤Ä¥í¡¼¥«¥ë¤Ê¥¥ã¥Ã¥·¥å (per-CPU ¥¥ã¥Ã¥·¥å) ¤Î
-slab ¥¢¥í¥±¡¼¥·¥ç¥ó¥Ý¥ê¥·¡¼¤òɽ¼¨¤¹¤ë
-(per-CPU ¥¥ã¥Ã¥·¥å¤Ï¡¢
-¥ª¥Ö¥¸¥§¥¯¥È¤ò¥¥ã¥Ã¥·¥å¤«¤é¥¢¥í¥±¡¼¥È¤¹¤ëºÝ¤Ë
-CPU ´Ö¤Ç¤ÎƱ´ü¤ò¸º¾¯¤µ¤»¤ë¤¿¤á¤ËÀߤ±¤é¤ì¤Æ¤¤¤ë)¡£
-ºÇ½é¤Î¥«¥é¥à¤Ï per-CPU À©¸Â¡¢
-¤¹¤Ê¤ï¤Á³Æ CPU ¤´¤È¤Ë¥¥ã¥Ã¥·¥å¤Ç¤¤ë¥ª¥Ö¥¸¥§¥¯¥È¤ÎºÇÂç¿ô¤Ç¤¢¤ë¡£
-ÆóÈÖÌܤΥ«¥é¥à¤Ï¥Ð¥Ã¥Á¥«¥¦¥ó¥È¡¢
-¤¹¤Ê¤ï¤Á per-CPU ¥¥ã¥Ã¥·¥å¤¬¶õ¤À¤Ã¤¿¤ê°ìÇÕ¤À¤Ã¤¿¤ê¤·¤¿¾ì¹ç¤Ë¡¢
-¥°¥í¡¼¥Ð¥ë¤Ê¥¥ã¥Ã¥·¥å¤È¼õ¤±ÅϤ·¤Ç¤¤ë¥Õ¥ê¡¼¤Ê¥ª¥Ö¥¸¥§¥¯¥È¤ÎºÇÂç¿ô¤Ç¤¢¤ë¡£
+SMP システムでは、出力の最初の行に "(SMP)" と表示され、 各 slab ごとに 2 つのカラムが追加される。 これらは各 CPU
+が持つローカルなキャッシュ (per\-CPU キャッシュ) の slab アロケーションポリシーを表示する (per\-CPU キャッシュは、
+オブジェクトをキャッシュからアロケートする際に CPU 間での同期を減少させるために設けられている)。 最初のカラムは per\-CPU 制限、
+すなわち各 CPU ごとにキャッシュできるオブジェクトの最大数である。 二番目のカラムはバッチカウント、 すなわち per\-CPU
+キャッシュが空だったり一杯だったりした場合に、 グローバルなキャッシュと受け渡しできるフリーなオブジェクトの最大数である。
-slab ¥¥ã¥Ã¥·¥åÅý·×¤È SMP ¤¬Î¾Êý͸ú¤Ë¤Ê¤Ã¤Æ¤¤¤ë¾ì¹ç¤Ï¡¢
-per-CPU ¥¥ã¥Ã¥·¥å¤ÎÅý·×¤òɽ¼¨¤¹¤ë 4 ¤Ä¤Î¥«¥é¥à¤¬¤µ¤é¤ËÄɲ䵤ì¤ë¡£
-ºÇ½é¤Î 2 ¤Ä¤Ï per-CPU ¥¥ã¥Ã¥·¥å¤Î
-¥¢¥í¥±¡¼¥·¥ç¥ó¥Ò¥Ã¥È¥«¥¦¥ó¥È¤È¥¢¥í¥±¡¼¥·¥ç¥ó¥ß¥¹¥«¥¦¥ó¥È¤Ç¤¢¤ë¡£
-¤¹¤Ê¤ï¤Á¡¢¤¢¤ë¥ª¥Ö¥¸¥§¥¯¥È¤ò¥¢¥í¥±¡¼¥È¤·¤¿¤È¤¤Ë¡¢
-¤½¤ì¤¬ per-CPU ¥¥ã¥Ã¥·¥å¤ÎÆâÉô¤Ë ¤¢¤Ã¤¿/¤Ê¤«¤Ã¤¿ ²ó¿ô¤Ç¤¢¤ë¡£
-³¤¯ 2 ¤Ä¤Ï¡¢per-CPU ¥¥ã¥Ã¥·¥å¤Î¥Õ¥ê¡¼¥Ò¥Ã¥È¥«¥¦¥ó¥È¤È¥ß¥¹¥«¥¦¥ó¥È¤Ç¤¢¤ë¡£
-¤¹¤Ê¤ï¤Á²òÊü¤µ¤ì¤¿¥ª¥Ö¥¸¥§¥¯¥È¤ò¥°¥í¡¼¥Ð¥ë¤Ê¥¥ã¥Ã¥·¥å¤Ë¥Õ¥é¥Ã¥·¥å¤¹¤ëÁ°¤Ë¡¢
-per-CPU ¥¥ã¥Ã¥·¥å¤ÎÀ©¸Â¤ÎÈÏ°Ï¤Ë ¼ý¤Þ¤Ã¤¿/¼ý¤Þ¤é¤Ê¤«¤Ã¤¿ ²ó¿ô¤Ç¤¢¤ë¡£
+slab キャッシュ統計と SMP が両方有効になっている場合は、 per\-CPU キャッシュの統計を表示する 4 つのカラムがさらに追加される。
+最初の 2 つは per\-CPU キャッシュの アロケーションヒットカウントとアロケーションミスカウントである。
+すなわち、あるオブジェクトをアロケートしたときに、 それが per\-CPU キャッシュの内部に あった/なかった 回数である。 続く 2
+つは、per\-CPU キャッシュのフリーヒットカウントとミスカウントである。
+すなわち解放されたオブジェクトをグローバルなキャッシュにフラッシュする前に、 per\-CPU キャッシュの制限の範囲に 収まった/収まらなかった
+回数である。
-SMP ¤Ë¤ª¤¤¤Æ per-CPU slab ¥¥ã¥Ã¥·¥å¤ÎÀ©¸ÂÃͤä
-¥Ð¥Ã¥Á¥«¥¦¥ó¥È¤òÊѹ¹¤¹¤ë¤Ë¤Ï¡¢°Ê²¼¤Î¤è¤¦¤Ë¤¹¤ì¤Ð¤è¤¤:
+SMP において per\-CPU slab キャッシュの制限値や バッチカウントを変更するには、以下のようにすればよい:
.in +4n
.nf
echo "\fIcache_name limit batchcount\fP" > /proc/slabinfo
.fi
.in
-.SH ¥Õ¥¡¥¤¥ë
-.I <linux/slab.h>
-.SH ¥Ð¡¼¥¸¥ç¥ó
-.I /proc/slabinfo
-¤Ï Linux 2.1.23 °Ê¹ß¤Ë¸ºß¤¹¤ë¡£
-SMP ¤Ë¤ª¤±¤ë CPU ¤´¤È¤Î¥¥ã¥Ã¥·¥å¤Ï Linux 2.4.0-test3 °Ê¹ß¤Ë¸ºß¤¹¤ë¡£
-.SH Ãí°Õ
-Linux 2.6.16 °Ê¹ß¤Ç¤Ï¡¢
-.I /proc/slabinfo
-¥Õ¥¡¥¤¥ë¤Ï¡¢¥«¡¼¥Í¥ëÀßÄꥪ¥×¥·¥ç¥ó
-.B CONFIG_SLAB
-¤ò͸ú¤Ë¤·¤¿¾ì¹ç¤Î¤ß¸ºß¤¹¤ë¡£
-
+.SH ファイル
+\fI<linux/slab.h>\fP
+.SH バージョン
+\fI/proc/slabinfo\fP は Linux 2.1.23 以降に存在する。 SMP における CPU ごとのキャッシュは Linux
+2.4.0\-test3 以降に存在する。
+.SH 注意
+Linux 2.6.16 以降では、 \fI/proc/slabinfo\fP ファイルは、カーネル設定オプション \fBCONFIG_SLAB\fP
+を有効にした場合のみ存在する。