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(split) LDP: Release pages for LDP v3.39.
[linuxjm/LDP_man-pages.git] / release / man7 / svipc.7
index 0c219a7..6a3f3bb 100644 (file)
 .\" Formatted or processed versions of this manual, if unaccompanied by
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 .\"
-.\" Japanese Version Copyright (c) 1998 HANATAKA Shinya
-.\"         all rights reserved.
-.\" Translated Wed Feb 11 21:29:14 JST 1998
-.\"         by HANATAKA Shinya <hanataka@abyss.rim.or.jp>
-.\"
-.\"WORD:       semaphore set           セマフォー集合
-.\"WORD:       shared memory segment   共有メモリ・セグメント
-.\"WORD:       message queue           メッセージ・キュー
-.\"
 .\" FIXME There is now duplication of some of the information
 .\" below in semctl.2, msgctl.2, and shmctl.2 -- MTK, Nov 04
-.TH SVIPC 7 2009-01-26 "Linux" "Linux Programmer's Manual"
+.\"*******************************************************************
+.\"
+.\" This file was generated with po4a. Translate the source file.
+.\"
+.\"*******************************************************************
+.TH SVIPC 7 2009\-01\-26 Linux "Linux Programmer's Manual"
 .SH 名前
 svipc \- System V プロセス間通信機構
 .SH 書式
 .nf
-.B #include <sys/types.h>
-.B #include <sys/ipc.h>
-.B #include <sys/msg.h>
-.B #include <sys/sem.h>
-.B #include <sys/shm.h>
+\fB#include <sys/types.h>\fP
+\fB#include <sys/ipc.h>\fP
+\fB#include <sys/msg.h>\fP
+\fB#include <sys/sem.h>\fP
+\fB#include <sys/shm.h>\fP
 .fi
 .SH 説明
-このマニュアル・ページは System V プロセス間通信
-(interprocess communication; IPC) 機構の Linux に
-おける実装を説明する。
-このプロセス間通信機構には、
-メッセージ・キュー (message queue)、セマフォー集合 (semaphore set)、
-共有メモリ・セグメント (shared memory segment) などがある。以下で
-.I "資源 (resource)"
+このマニュアルページは System V プロセス間通信 (interprocess communication; IPC) 機構の Linux に
+おける実装を説明する。 このプロセス間通信機構には、 メッセージキュー (message queue)、セマフォー集合 (semaphore set)、
+共有メモリセグメント (shared memory segment) などがある。以下で \fI資源 (resource)\fP
 という用語を使用した場合にはこれらの機構のどれかを意味する。
 .SS 資源へのアクセス許可
-システムのそれぞれの資源は、IPC への操作を許可するかどうかを決定する
-ための情報を共通の構造体
-.I "struct ipc_perm"
-に格納して使用する。
-.I ipc_perm
-構造体は、ヘッダーファイルの
-.I <sys/ipc.h>
+システムのそれぞれの資源は、IPC への操作を許可するかどうかを決定する ための情報を共通の構造体 \fIstruct ipc_perm\fP
+に格納して使用する。 \fIipc_perm\fP 構造体は、ヘッダーファイルの \fI<sys/ipc.h>\fP
 に定義されており、以下のメンバーが含まれている:
 .in +4n
 .nf
@@ -73,12 +60,8 @@ struct ipc_perm {
 .fi
 .in
 .PP
-.I ipc_perm
-構造体の
-.I mode
-メンバーは以下の 9 ビットで、プロセスの IPC システム・コール
-による資源へのアクセス許可を定義する。
-許可は以下のように解釈される:
+\fIipc_perm\fP 構造体の \fImode\fP メンバーは以下の 9 ビットで、プロセスの IPC システムコール
+による資源へのアクセス許可を定義する。 許可は以下のように解釈される:
 .sp
 .nf
     0400    ユーザーによる読み込み。
@@ -91,51 +74,37 @@ struct ipc_perm {
     0002    他人による書き込み。
 .fi
 .PP
-システムはビット 0100, 0010, 0001 (実行ビット) は使用しない。
-さらに、セマフォーの場合には
-"書き込み(write)"
-は実際には
-"変更(alter)"
-を意味する。
+システムはビット 0100, 0010, 0001 (実行ビット) は使用しない。 さらに、セマフォーの場合には "書き込み(write)" は実際には
+"変更(alter)" を意味する。
 .PP
 同じヘッダーファイルには以下のシンボルの定義が含まれている:
-.TP 14
-.B IPC_CREAT
+.TP  14
+\fBIPC_CREAT\fP
 キー(key)が存在しない場合には新たなエントリを作成する。
-.TP
-.B IPC_EXCL
+.TP 
+\fBIPC_EXCL\fP
 キー(key)が存在する場合には失敗する。
-.TP
-.B IPC_NOWAIT
+.TP 
+\fBIPC_NOWAIT\fP
 要求が待たされる場合にはエラーになる。
-.TP
-.B IPC_PRIVATE
\83\97ã\83©ã\82¤ã\83\99ã\83¼ã\83\88ã\83»ã\82­ã\83¼ã\80\82
-.TP
-.B IPC_RMID
+.TP 
+\fBIPC_PRIVATE\fP
+プライベートキー。
+.TP 
+\fBIPC_RMID\fP
 資源を削除する。
-.TP
-.B IPC_SET
+.TP 
+\fBIPC_SET\fP
 資源にオプションを設定する。
-.TP
-.B IPC_STAT
+.TP 
+\fBIPC_STAT\fP
 資源のオプションを取得する。
 .PP
-.B IPC_PRIVATE
-は
-.I key_t
-型である。その他の全てのシンボルはフラグ・フィールドとして
-.I int
-変数に OR 演算で格納することができる。
-.SS メッセージ・キュー
-メッセージ・キューは正の整数
-.RI "(" msqid )
-によって識別され、
-.I <sys/msg.h>
-に定義されている構造体
-.IR "struct msqid_ds"
-に結びつけられている。
-この構造体は以下のメンバーを含んでいる:
+\fBIPC_PRIVATE\fP は \fIkey_t\fP 型である。その他の全てのシンボルはフラグフィールドとして \fIint\fP 変数に OR
+演算で格納することができる。
+.SS メッセージキュー
+メッセージキューは正の整数 (\fImsqid\fP)  によって識別され、 \fI<sys/msg.h>\fP に定義されている構造体
+\fIstruct msqid_ds\fP に結びつけられている。 この構造体は以下のメンバーを含んでいる:
 .in +4n
 .nf
 
@@ -151,50 +120,33 @@ struct msqid_ds {
 };
 .fi
 .in
-.TP 11
-.I msg_perm
-メッセージ・キューへのアクセス許可を指定する
-.I ipc_perm
-構造体。
-.TP
-.I msg_qnum
-現在、このメッセージ・キューにあるメッセージの数。
-.TP
-.I msg_qbytes
-メッセージ・キューに入れることができるメッセージの最大バイト数。
-.TP
-.I msg_lspid
-最後に
-.BR msgsnd (2)
-システム・コールを行なったプロセスの ID。
-.TP
-.I msg_lrpid
-最後に
-.BR msgrcv (2)
-システム・コールを行なったプロセスの ID。
-.TP
-.I msg_stime
-最後に
-.BR msgsnd (2)
-システム・コールを行なった時間。
-.I msg_rtime
-最後に
-.BR msgrcv (2)
-を行なった時間。
-.TP
-.I msg_ctime
-最後に
-.I msqid_ds
-構造体のメンバーが変更された時間。
+.TP  11
+\fImsg_perm\fP
+メッセージキューへのアクセス許可を指定する \fIipc_perm\fP 構造体。
+.TP 
+\fImsg_qnum\fP
+現在、このメッセージキューにあるメッセージの数。
+.TP 
+\fImsg_qbytes\fP
+メッセージキューに入れることができるメッセージの最大バイト数。
+.TP 
+\fImsg_lspid\fP
+最後に \fBmsgsnd\fP(2)  システムコールを行なったプロセスの ID。
+.TP 
+\fImsg_lrpid\fP
+最後に \fBmsgrcv\fP(2)  システムコールを行なったプロセスの ID。
+.TP 
+\fImsg_stime\fP
+最後に \fBmsgsnd\fP(2)  システムコールを行なった時間。
+.TP 
+\fImsg_rtime\fP
+最後に \fBmsgrcv\fP(2)  を行なった時間。
+.TP 
+\fImsg_ctime\fP
+最後に \fImsqid_ds\fP 構造体のメンバーが変更された時間。
 .SS セマフォー集合
-セマフォー集合は正の整数
-.RI "(" semid )
-によって識別され、
-.I <sys/sem.h>
-に定義されている構造体
-.IR "struct semid_ds"
-に結びつけられている。
-この構造体は以下のメンバーを含んでいる:
+セマフォー集合は正の整数 (\fIsemid\fP)  によって識別され、 \fI<sys/sem.h>\fP に定義されている構造体
+\fIstruct semid_ds\fP に結びつけられている。 この構造体は以下のメンバーを含んでいる:
 .in +4n
 .nf
 
@@ -206,68 +158,51 @@ struct semid_ds {
 };
 .fi
 .in
-.TP 11
-.I sem_perm
-セマフォー集合へのアクセス許可を指定する
-.I ipc_perm
-構造体。
-.TP
-.I sem_otime
-最後に
-.BR semop (2)
-システム・コールを行なった時間。
-.TP
-.I sem_ctime
-最後に
-.BR semctl (2)
-を行なって上記の構造体のメンバーを変更するか、セマフォー集合に属する
-セマフォーを変更した時間。
-.TP
-.I sem_nsems
-セマフォー集合の中にあるセマフォーの数。
-集合の中にあるそれぞれのセマフォーは負でない整数によって参照され、
-.B 0
-から
-.I sem_nsems\-1
-までの番号を持つ。
+.TP  11
+\fIsem_perm\fP
+セマフォー集合へのアクセス許可を指定する \fIipc_perm\fP 構造体。
+.TP 
+\fIsem_otime\fP
+最後に \fBsemop\fP(2)  システムコールを行なった時間。
+.TP 
+\fIsem_ctime\fP
+最後に \fBsemctl\fP(2)  を行なって上記の構造体のメンバーを変更するか、セマフォー集合に属する セマフォーを変更した時間。
+.TP 
+\fIsem_nsems\fP
+セマフォー集合の中にあるセマフォーの数。 集合の中にあるそれぞれのセマフォーは負でない整数によって参照され、 \fB0\fP から
+\fIsem_nsems\-1\fP までの番号を持つ。
 .PP
-セマフォーは
-.I "struct sem"
-型のデータ構造体であり、以下のメンバーを含んでいる:
+セマフォーは \fIstruct sem\fP 型のデータ構造体であり、以下のメンバーを含んでいる:
 .in +4n
 .nf
 
+.\"    unsigned short semncnt; /* nr awaiting semval to increase */
+.\"    unsigned short semzcnt; /* nr awaiting semval = 0 */
 struct sem {
     int semval;  /* セマフォーの値 */
     int sempid;  /* 最後に操作したプロセス ID */
-.\"    unsigned short semncnt; /* semval の増加を待つ数 */
-.\"    unsigned short semzcnt; /* semval = 0 を待つ数 */
 };
 .fi
 .in
-.TP 11
-.I semval
+.TP  11
+\fIsemval\fP
 セマフォー値: 負でない整数。
-.TP
-.I sempid
-このセマフォーを最後に操作したプロセスの ID。
+.TP 
+\fIsempid\fP
 .\".TP
 .\".I semncnt
+.\"Number of processes suspended awaiting for
 .\".I semval
-.\"の値が増加するを待って停止しているプロセスの数。
+.\"to increase.
 .\".TP
 .\".I semznt
+.\"Number of processes suspended awaiting for
 .\".I semval
-.\"が 0 になるのを待って停止しているプロセスの数。
-.SS 共有メモリ・セグメント
-共有メモリ・セグメトは正の整数
-.RI "(" shmid )
-によって識別され、
-.I <sys/shm.h>
-に定義されている
-.IR "struct shmid_ds"
-構造体に結びつけられている。
-この構造体は以下のメンバーを含んでいる:
+.\"to become zero.
+このセマフォーを最後に操作したプロセスの ID。
+.SS 共有メモリセグメント
+共有メモリセグメントは正の整数 (\fIshmid\fP)  によって識別され、 \fI<sys/shm.h>\fP に定義されている
+\fIstruct shmid_ds\fP 構造体に結びつけられている。 この構造体は以下のメンバーを含んでいる:
 .in +4n
 .nf
 
@@ -283,55 +218,31 @@ struct shmid_ds {
 };
 .fi
 .in
-.TP 11
-.I shm_perm
-共有メモリ・セグメントへのアクセス許可を指定した
-.I ipc_perm
-構造体。
-.TP
-.I shm_segsz
-共有メモリ・セグメントのバイト数。
-.TP
-.I shm_cpid
-共有メモリ・セグメントを作成したプロセスの ID。
-.TP
-.I shm_lpid
-最後に
-.BR shmat (2)
-または
-.BR shmdt (2)
-システム・コールを実行したプロセスの ID。
-.TP
-.I shm_nattch
-この共有メモリ・セグメントをメモリに付加 (attach) しているプロセスの数。
-.TP
-.I shm_atime
-最後に
-.BR shmat (2)
-システム・コールを行なった時間。
-.TP
-.I shm_dtime
-最後に
-.BR shmdt (2)
-システム・コールを行なった時間。
-.TP
-.I shm_ctime
-最後に
-.BR shmctl (2)
-システム・コールを行なって、
-.I shmid_ds
-構造体を変更した時間。
+.TP  11
+\fIshm_perm\fP
+共有メモリセグメントへのアクセス許可を指定した \fIipc_perm\fP 構造体。
+.TP 
+\fIshm_segsz\fP
+共有メモリセグメントのバイト数。
+.TP 
+\fIshm_cpid\fP
+共有メモリセグメントを作成したプロセスの ID。
+.TP 
+\fIshm_lpid\fP
+最後に \fBshmat\fP(2)  または \fBshmdt\fP(2)  システムコールを実行したプロセスの ID。
+.TP 
+\fIshm_nattch\fP
+この共有メモリセグメントをメモリに付加 (attach) しているプロセスの数。
+.TP 
+\fIshm_atime\fP
+最後に \fBshmat\fP(2)  システムコールを行なった時間。
+.TP 
+\fIshm_dtime\fP
+最後に \fBshmdt\fP(2)  システムコールを行なった時間。
+.TP 
+\fIshm_ctime\fP
+最後に \fBshmctl\fP(2)  システムコールを行なって、 \fIshmid_ds\fP 構造体を変更した時間。
 .SH 関連項目
-.BR ipc (2),
-.BR msgctl (2),
-.BR msgget (2),
-.BR msgrcv (2),
-.BR msgsnd (2),
-.BR semctl (2),
-.BR semget (2),
-.BR semop (2),
-.BR shmat (2),
-.BR shmctl (2),
-.BR shmdt (2),
-.BR shmget (2),
-.BR ftok (3)
+\fBipc\fP(2), \fBmsgctl\fP(2), \fBmsgget\fP(2), \fBmsgrcv\fP(2), \fBmsgsnd\fP(2),
+\fBsemctl\fP(2), \fBsemget\fP(2), \fBsemop\fP(2), \fBshmat\fP(2), \fBshmctl\fP(2),
+\fBshmdt\fP(2), \fBshmget\fP(2), \fBftok\fP(3)