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info/GNU_coreutils: more corrections and modifications.
[linuxjm/jm.git] / info / GNU_coreutils / release / README.ja
1   coreutils の日本語版 info マニュアルのインストール方法と
2 使用法を簡単に説明します。コマンドラインから "info coreutils-ja" と
3 打ち込むと、日本語 info が読めるようなら、coreutils-ja.info がすでに
4 きちんとインストールされています。「1 インストール」の項目を飛ばして、
5 「2 使用法」に進んでください。
6
7 目次
8 ====
9   1 インストール
10     1.1 インストール、あるいは dir ファイルへの登録
11     1.2 アンインストール
12     1.3 /usr/share/info ディレクトリ以外へのインストール
13     1.4 info ファイルの作成 (おまけ 1)
14     1.5 html ファイルの作成 (おまけ 2)
15     1.6 マニュアルの印刷 (おまけ 3)
16   2 使用法
17     2.1 日本語版 coreutils info マニュアルの呼び出し方
18     2.2 info マニュアルにおける基本的なキー操作
19     2.3 g コマンドのちょっと複雑な使用法
20
21
22 1 インストール
23 ===============
24
25 1.1 インストール、あるいは dir ファイルへの登録
26 -----------------------------------------------
27
28   インストール方法と言うより、coreutils-ja を info のトップレベル・
29 メニューに登録して、"info coreutils-ja" や "info cat-ja" などで 
30 日本語の info マニュアルが読めるようにする方法です。
31
32   この登録をしないでも、coreutils-ja.info ファイルをカレントディレクトリに
33 置いて、
34
35     info -f ./coreutils-ja.info
36
37 と打ち込めば、coreutis-ja の最初のページを開くことができます。さらに、
38 そのページをスクロールすると見ることのできるメニューをたどって
39 (あるいは、info の m コマンドを使って)、各コマンドの説明に飛ぶことが
40 できます。しかし、それでは不便でしょう。"info ls-ja" や "info cat-ja" で、
41 誰でも直接 ls や cat の日本語マニュアルが読めた方が便利です。そこで、
42 coreutils-ja.info を info のトップレベル・メニューに登録します。
43
44   作業は、root ユーザになって行います。info のトップレベル・メニューが
45 記載されているファイルは、標準では /usr/share/info/dir です。
46 coreutils-ja.info を /usr/share/info ディレクトリにコピーしてください。
47
48     cp coreutils-ja.info /usr/share/info
49     cd /usr/share/info
50
51   info ファイルは、gzip などで圧縮することができます。
52
53   GNU の install-info コマンドで coreutils-ja.info を dir ファイルに
54 登録します (注 1)。install-info の書式はこうです。
55
56     install-info [OPTION]... [INFO-FILE [DIR-FILE]]
57  
58   カレントディレクトリが /usr/share/info なら、具体的なコマンドは、
59 こうなります。
60
61     install-info coreutils-ja.info dir
62
63     注 1: debian のようにディストリビューション独自の install-info 
64           コマンドが入っていることがあります。その場合は、マニュアルで
65           使用法を調べるか、GNU の install-info (debian では、ginstall-info 
66           という名前で入っている) を使ってください。
67
68   圧縮ファイルの場合でも ".gz" まで指定する必要はありません。もちろん、
69 付けても構いません。これで、インストール完了です。"info dd-ja" などで
70 日本語マニュアルが読めるはずです。
71
72 1.2 アンインストール
73 --------------------
74
75   coreutils-ja.info をアンインストールしたい場合は (登録から削除したい
76 場合は)、次のように --delete オプションを使います。
77
78     install-info --delete coreutils-ja.info dir
79
80   そして、coreutils-ja.info (または、coreutils-ja.info.gz) を消去します。
81
82     rm coreutils-ja.info
83
84 1.3 /usr/share/info ディレクトリ以外へのインストール
85 ----------------------------------------------------
86
87   coreutils-ja.info は、一応 /usr/share/info ディレクトリにコピーする
88 ことを想定して、作ってありますが、info コマンドのサーチパスにある
89 ディレクトリなら、そこにコピーしても、たぶん問題なく使用できます。
90
91   info コマンドの現在のサーチパスは、info 実行中に H キーを押せば、
92 見ることができます (info の古いバージョンでは h キーでした)。
93 /usr/local/share/info というディレクトリが存在すれば、
94 "/usr/share/info:/usr/local/share/info:." になっていると思います。
95 存在しなければ、たぶん "/usr/share/info:." だけです。また、環境変数 
96 INFOPATH によってサーチパスを /usr/share/info に追加することもできます
97 (環境変数 INFOPATH については、info info-stnd を参照してください)。
98
99   coreutils-ja.info を /usr/share/info 以外に置く場合は、
100 install-info コマンドの引数の dir には、/usr/share/info/dir を
101 指定してもよく、info ファイルをコピーしたディレクトリ中の dir (たとえば、
102 /usr/local/share/info/dir) を指定してもよいでしょう。後者の場合、
103 info コマンドが、実行時に両方の dir を統合して、トップレベルのメニューを
104 作ってくれます。
105
106   coreutils-ja.info を /usr/share/info/ja といった、info コマンドの
107 サーチパスにないディレクトリにコピーする場合は、環境変数 INFOPATH を
108 利用すればよいと思います。他にも方法がありますが、説明は省略します。
109
110 1.4 info ファイルの作成 (おまけ 1)
111 ----------------------------------
112
113   coreutils-ja.info の配布には、texi ファイルも含まれているかもしれ
114 ません。coreutils-ja.info が既に存在する場合、以下を実行する必要は
115 ありませんが、texi ファイルを修正して、自家特製の info ファイルを
116 作りたいこともあるかもしれません。そこで、念のため、texi ファイルから 
117 info ファイルを作成する方法を書いておきます。
118
119   texinfo 6.3 から makeinfo の日本語対応が向上しました (UTF-8 対応が
120 進んだということだと思います。でも、日本語の禁則処理には未対応の
121 ようです)。そこで texinfo 6.3 に含まれる makeinfo を使用することを
122 想定しています。それ以前のバージョンの makeinfo では、行末の処理が
123 うまく行かないかもしれません。
124
125   同一バージョンの次の 6 ファイルを一つのディレクトリに集めます。
126
127     constants.texi           (英語日本語共通)
128     fdl.texi                 (同上)
129     version.texi             (同上)
130     coreutils-ja.texi        (日本語に翻訳したもの)
131     parse-datetime-ja.texi   (同上)
132     perm-ja.texi             (同上)
133
134   そのディレクトリで、makeinfo コマンドを実行します。
135
136     makeinfo --no-split coreutils-ja.texi
137
138   --no-split オプションを付けずに makeinfo を実行すると、複数に分割
139 された info ファイルが生成されます。しかし、この分割された info 
140 ファイルを info コマンドで表示すると、ページによっては白黒が反転して
141 しまうことがあります。ですから、makeinfo は --no-split を付けて実行した
142 方がよいでしょう。
143
144   注意: makeinfo のバージョンによっては、日本語をうまく扱えないことが
145         あります。たとえば、Debian jessie の makeinfo 5.2 がそうです。
146
147 1.5 html ファイルの作成 (おまけ 2)
148 ----------------------------------
149
150   info 形式のマニュアルの閲覧法は、あまり直感的とは言えません。
151 そこで、html 形式に変換したくなるかもしれません。それには、texi2html 
152 プログラムを使用します。
153
154   texi2html がすでにインストールされているとします。たとえば、1 node
155 1 ファイルの形で html ファイルを作るには、次のようにします。
156
157   まず、必要な texi ファイルがあることを確認してください。必要な texi 
158 ファイルは、info ファイルを作成する場合と同じで、次の 6 個です。
159
160     constants.texi
161     fdl.texi  
162     version.texi
163     coreutils-ja.texi
164     parse-datetime-ja.texi
165     perm-ja.texi
166
167   上記の texi ファイルのあるディレクトリの直下に html ディレクトリを
168 作って移動し、texi2html コマンドを実行します。
169
170     mkdir html
171     cd html
172     texi2html --split node ../coreutils-ja.texi
173
174   node ごとではなく、章ごとに分割したかったら、"--split chapter" です。
175 texi2html の詳しい使い方については、"man texi2html" で調べてください。
176
177   なお、makeinfo に --html オプションを付けても、texi ファイルから html 
178 ファイルを作ることができます。こちらについての詳細は、"info texinfo" の
179 "Generating HTML" をご覧ください。
180
181 1.6 マニュアルの印刷 (おまけ 3)
182 -------------------------------
183
184   細田さんという方のおかげで、texinfo 6.3 以降なら、日本語の texi
185 ファイルから pdf が作れるようになりました。LuaTex 0.95 以降、または 
186 XeTeX 0.9998 以降 (後者の場合は、zhspacing も)、それに、texinfo-ja.tex
187 ファイルが必要だそうです。
188
189   texinfo-ja.tex ファイルについては、ディストリビューションによっては、
190 texinfo 6.3 以降でも、/usr/share/texmf/tex/texinfo に texinfo.tex
191 と txi-ja.tex はあっても、texinfo-ja.tex が存在しないかもしれません。
192 そんなときは、texinfo の開発元から、texinfo パッケージをダウンロードして、
193 texinfo-ja.tex を取り出せばよいでしょう。
194
195   texinfo-ja.tex を texi ファイル群と同じディレクトリに置き、
196 coreutils-ja.texi ファイルのヘッダに以下のような行を書きます。
197
198     \input texinfo-ja        (\input texinfo を書き換える)
199     @documentencoding UTF-8  (なければ追加)
200     @documentlanguage ja     (同上)
201
202   そして、LuaTex を使うなら、以下を実行します。
203
204     $ PDFTEX=luatex texi2pdf coreutils-ja.texi
205
206   これで pdf ファイルができるはずですが、筆者のところでは、「xkeyval 
207 がない」というエラーが出て、止まってしまいました。xkeyval.* は、
208 debian stretch では texlive-latex-recommended パッケージに
209 入っています。それを入れることで pdf ファイルの作成に成功しました。
210
211   より詳しくは、細田さんのお書きになった記事をご覧ください。
212
213     http://www.trueroad.jp/2016/05/14-01.html
214
215 2 使用法
216 =========
217   
218 2.1 日本語版 coreutils info マニュアルの呼び出し方
219 --------------------------------------------------
220
221   coreutils-ja.info のインストールが済んでいるなら、コマンドラインから、
222
223     info coreutils-ja    (coreutils マニュアル全体の最初のページ)
224     info chmod-ja        (chmod コマンドの info マニュアル)
225
226 のように打ち込めば、coreutils 全体や coreutils に属する個々のコマンドの
227 日本語 info マニュアルを開くことができます (注 1)。英語版のマニュアルを
228 読むには、"info coreutils" や "info chmod" とタイプします。
229
230     注 1: なお、"info coreutils-ja 'chmod invocation'" といった
231           呼び出し方もあります。一般に info コマンドの書式は、
232           "info [OPTION]... [メニュー項目名] [メニュー項目名]..." 
233           です。メニューが階層を持っているとき、メニュー項目の連鎖を
234           指定することで、深いところにあるセクションを直接呼び出せる
235           わけです。たとえば、"info mew copyright" とすれは、他の
236           プログラムのマニュアルの Copyright セクションではなく、
237           Mew プログラムの Copyright セクションを直接開くことができます。
238
239   info マニュアルの読み方の基本は、「メニューの項目にカーソルを
240 合わせてリターンキーを押せば、そのページに飛ぶ。スペースで先へ進み、
241 バックスペースで後戻りする。q キーで終了する」です。もっと複雑な 
242 (便利な) 使い方については、以下で説明します。
243
244   日本語版 coreutils info マニュアルの呼び出し方は、もう一つあります。
245 info プログラムを引数なしで実行すると (注 2)、info マニュアルの
246 トップレベル・メニューが開きます。そこで、coreutils-ja, chmod-ja 
247 などのメニュー項目を探して、カーソルを合わせ、リターンキーを押せば、
248 日本語マニュアルが表示されます。でも、キー操作を使った方が手間が
249 かかりません。トップレベル・メニューの画面で m キーを押すと、最下行に 
250 (Emacs でいうミニバッファに) 「メニュー項目:」(英語なら 「Menu item:」) 
251 というプロンプトが出ます。それに対して、コマンド名に -ja を付けて
252 打ち込み、リターンキーを押せばよいのです。たとえば、m キーを押して出た
253 「メニュー項目:」プロンプトに対して chmod-ja と打ち込めば、日本語版の 
254 chmod コマンドのマニュアルが、chmod だけなら、英語版のマニュアルが
255 表示されます。
256
257     注 2: info マニュアルは info コマンドだけでなく、Emacs でも読めます。
258           Emacs の info リーダーを呼び出すには、Emacs 上で C-h i、または 
259           M-x info とタイプします。そうすると、info のトップレベル・
260           メニューが開きます。古めの Emacs (たとえば、Emacs22) をご使用に
261           なっている場合は、日本語が文字化けして、読めないかもしれません。
262           Emacs23 以降なら、たぶん大丈夫です。Emacs の info リーダーの
263           使い方は、info コマンドとほぼ同じです。
264
265   coreutils-ja、chmod-ja などと -ja を付けるのは、info プログラムを
266 起動するときと、info のトップレベル・メニューにいるときだけです。
267 coreutils-ja であれ、dd-ja であれ、すでに日本語版の coreutils 
268 マニュアルのどれかを開いている場合は、-ja をコマンド名の後ろに付ける
269 必要がありません。と言うより、付けてはいけません。
270
271   coreutils-ja の内部では、コマンドのメニューがあるページなら
272 (スクロールしないとメニューが見えませんが、coreutils-ja の最初の
273 ページもその一つです)、m に chmod などとコマンド名を続けて、リターン
274 キーを押すだけで、たいていの場合、そのコマンドの日本語マニュアルが
275 開きます (注 3)。また、g キーでノード (ほぼ章や節や項に当たります) 
276 に直接飛ぶ場合も、g キーを押すと最下行に出る「ノードへ移動:」(英語なら 
277 「Goto node:」) というプロンプトに対して chmod invocation などと
278 ノード名を打ち込んで、リターンキーを押せば、そのノードが開きます (注 4)。
279 メニューにリストされている項目のノード名は、たいていメニュー項目名 (英語) 
280 と同じです (注 5)。m の場合も g の場合も、タブで文字列の補完ができます。
281
282     注 3: 厳密な言い方をすると、m ではメニュー項目名を指定します。
283           ただし、メニュー項目名の先頭から、他の項目と区別するのに
284           必要なだけの部分を指定すれば充分です。ですから、メニュー
285           項目名が chmod invocation なら、chmod というコマンド名
286           だけでよいことになります。とは言え、pr, sort、comm、tr、dir、
287           rm, date, who コマンドのような例外もあります。たとえば、
288           coreutils-ja の最初のページでは、sort で始まるメニュー項目名が
289           二つあるので (sort invocation と Sorting the output)、m に 
290           sort と続けただけでは足りません。sort に続けて、スペースを
291           一回押し、それからタブを押してください。それで sort invocation
292           と補完されるはずです。rm や tr などのコマンドについても
293           同様です。date コマンドの場合は、coreutils-ja のメニューに 
294           date invocation のほかに Date input formats という項目も
295           あるので、"date inv" まで指定する必要があります。 
296
297     注 4: m はメニューのあるところでしか使えませんが、g はたいてい
298           どこでも使えます。しかし、ノード名はメニュー項目名と違って、
299           省略を受付けません。そこで、g では、タブによる補完を多用する
300           ことになります。
301
302     注 5: メニュー項目名とノード名が違う場合もあります。たとえば、
303           引数なしで info コマンドを実行したときに表示されるトップ
304           レベル・メニューでは、日本語 cat マニュアルのメニュー項目名は 
305           cat-ja ですが、ノード名は (coreutils-ja.info ファイルの) 
306           cat invocation です。
307
308   なお、m に続けるメニュー項目名では、たいていの場合、大文字小文字を
309 区別しません。g に続けるノード名の場合は、原則として大文字小文字の区別が
310 行われますが、ユーザが大文字で指定しようと、小文字で指定しようと、タブに
311 よる補完を使用すると、補完と同時に正しい表記に変更されます。
312  
313 2.2 info マニュアルにおける基本的なキー操作
314 -------------------------------------------
315
316   info プログラムではキー操作をコマンドと言います。スペースを押すのも、
317 q や n キーを押すのもコマンドの実行です。
318
319   スペースで先へ進み、バックスペースで後へ戻ることができます 
320 (スクロールします)。矢印キーで上下左右にカーソルが動きます。
321 メニューの項目やクロスリファレンスにカーソルを合わせて、リターン
322 キーを押すと、その項目に飛びます。l キーを押すと、直前に開いていた
323 ノードに戻ります。q キーで info が終了します。それに m, g, n, p, ], [, 
324 u, t コマンドを知っていれば、たいてい用が足ります (そうしたコマンドの
325 動作については、下記を参照してください)。Emacs の info リーダーの
326 キー操作も、ほとんど同じです。
327
328   ああ、二つ書き忘れました。C-l (Ctrl と l (エル) を同時に押します) と 
329 C-g も重要です。info プログラムは、バージョンによっては、日本語の
330 行末処理が上手ではありません。行末にゴミが入ることがあります。
331 そういうときは、C-l を押して画面を再描画すると、表示が正常になります。
332
333   C-g の方は、コマンドを途中でキャンセルするときに使います。
334
335   info 中でのキー操作の詳細は、"info info" や "info info-stnd" を
336 実行して、マニュアルを読んでください (残念ながら、英語です)。
337
338   注意: ここでは、info 6.3 を使うことを想定して、基本的なコマンドのみを
339 挙げておきます。バージョンによっては、使えなかったり、動作が違ったり
340 することもあります。たとえば、古いバージョンの info では、'/', 's', 
341 'C-s' などで日本語の検索ができません (英語による検索はできます)。
342
343     Space:           1 画面スクロール (最下部の 2 行が最上部に残る)。
344     Backspace:       1 画面スクロールバック。
345     Delete:          info コマンドでは Backspace と同じ (Emacs の
346                      info リーダーではたぶん無効)。
347     矢印キー:        カーソルが上下左右に移動する。
348     Return:          メニューやクロスリファレンスで、カーソル位置にある
349                      項目へ飛ぶ。
350     q:               info 終了。
351
352     C-l:             画面の再描画。
353     C-g:             コマンドのキャンセル。
354     H:               コマンドの簡単な説明 (古いバージョンでは h)。
355
356     n:               同一レベルの次のノードへ進む。
357     p:               同一レベルの前のノードへ戻る。
358     ]:               レベルが違っても、ドキュメントの次のノードに進む。
359     [:               レベルが違っても、ドキュメントの前のノードに戻る。
360
361     mメニュー項目名: 指定したメニュー項目に飛ぶ。
362     gノード名:       指定したノードに飛ぶ。
363     u:               一つ上のレベルのノードに移動する。
364     t:               トップノードに飛ぶ。 
365     d:               info マニュアル全体のトップレベル・メニューに飛ぶ。
366     b:               現在のノードの先頭に戻る。
367     e:               現在のノードの末尾に飛ぶ。
368
369     l:               元のページ (すなわち、直前に読んでいたノード) に戻る。
370
371     s または /:      指定した文字列で正規表現検索をする (Emacs の info
372                      リーダーでは、/ は使えないが、s による検索はできる)。
373                      同じ文字列の検索を続行するには、less や man とは違って、
374                      n ではなく、s または / に続けてリターンを押す。
375     ?:               逆方向への正規表現検索 (Emacs ではコマンドの簡単な説明)。
376     C-s:             インクリメンタル検索をする。
377     C-r:             逆方向のインクリメンタル検索。
378
379     f または r:      クロスリファレンスをたどる (Emacs の info リーダーでは
380                      クロスリファレンスをたどるのは f だけであり、r は l の
381                      反対の動作をする)。
382     i:               指定した文字列をインデックス中で探して、その参照箇所に
383                      飛ぶ (coreutils-ja のインデックスは日本語化されて
384                      いない。従って、日本語によるインデックス検索は、
385                      今のところできない。英語によるインデックス検索は
386                      可能)。
387     ,:               i コマンドでインデックス検索をしているとき、i で
388                      指定した文字列にマッチする次のインデックス項目の
389                      参照箇所に飛ぶ。
390     ESC C-f:         脚注があるとき、ウインドウを分割して、下のウインドウに
391                      脚注を表示する (Emacs の info リーダーでは使えない)。
392                      脚注のウインドウを消すには、本文のウインドウにカーソル
393                      があることを確認して、C-x 1 とキーを押す (Ctrl と x の
394                      同時押し。そして 1 (いち))。
395
396 2.3 g コマンドのちょっと複雑な使用法
397 ------------------------------------
398
399   "info ls-ja" を実行して、ls の日本語マニュアルを読んでいるとします。
400 そのとき、原文が読みたくなったら、どうしますか。info を一度終了して、
401 "info ls" を実行する。d コマンドで info のトップレベル・メニューに飛び、
402 m に続けて ls とタイプする。別の端末エミュレータから、"info ls " を
403 実行する。もちろんどれも正解です。特に 3 番目は、原文と翻訳を並べて
404 見ることができますから、有用な方法だと思います。
405
406   しかし、日本語マニュアルを表示している現在の info から、ls の英語版
407 マニュアルに直接飛ぶこともできます。g コマンドをこんなふうに使います。
408
409     g(coreutils)ls invocation
410
411   g キーを押すと最下行に出るプロンプトに対して (coreutils)ls invocation
412 と打ち込むわけです。
413  
414   g コマンドの正規の使用法は、次のようなものです。
415
416     g(ファイル名)ノード名
417
418   上の書式中、同じマニュアル中での移動ならば (たとえば、coreutils-ja の
419 あるコマンドの説明から、coreutils-ja の他のコマンドの説明に飛ぶのならば)、
420 ファイル名は省略できます。また、他のマニュアル中のノードに飛ぶとしても、
421 そのマニュアルが /usr/share/info のような info のサーチパスの下にある
422 ファイルならば、そのサーチパスを基点とする相対パスで、ファイル名を指定する
423 ことができます (たとえば、/usr/share/info/ja/something.info.gz 
424 ならば、ja/something.info.gz)。しかも、info や info.gz のような拡張子は
425 省略できます。そこで、日本語マニュアルから ls の英語マニュアルに飛ぶ
426 コマンドは、
427
428     g(coreutils)ls invocation 
429
430 でよいことになります。英語版 ls マニュアルから日本語版に戻るには、
431 l コマンドを使えば済みます。"g(coreutils-ja)ls invocation" と
432 打ち込んでもよいでしょう。
433
434   なお、g コマンド書式中のファイル名は、絶対パスやカレントディレクトリ
435 からの相対パスで指定することもできます。
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438 2017-07-16 訳者
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