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util-linux: mesg.1, whereis.1, write.1 to 2.36
[linuxjm/jm.git] / manual / util-linux / release / man1 / whereis.1
index 3cd12a9..2e260a1 100644 (file)
 .\" SUCH DAMAGE.
 .\"
 .\" @(#)whereis.1 from UCB 4.2
+.\"*******************************************************************
 .\"
-.\" Japanese Version Copyright (c) 2001 Yuichi SATO
+.\" This file was generated with po4a. Translate the source file.
+.\"
+.\"*******************************************************************
+.\"
+.\" Japanese Version Copyright (c) 2001-2021 Yuichi SATO
+.\"         and 2021 Yoichi Chonan
 .\"         all rights reserved.
 .\" Translated Sat Feb 17 03:19:58 JST 2001
 .\"         by Yuichi SATO <sato@complex.eng.hokudai.ac.jp>
+.\" Updated & Modified (util-linux 2.36) Mon Jan 11 11:53:59 JST 2021
+.\"         by Yuichi SATO <ysato444@ybb.ne.jp>
+.\"         and Yoichi Chonan <cyoichi@maple.ocn.ne.jp>
 .\"
-.TH WHEREIS 1 "8 May 1994"
+.TH WHEREIS 1 "October 2014" util\-linux "User Commands"
 .SH 名前
-whereis \- ã\82³ã\83\9eã\83³ã\83\89ã\81®ã\83\90ã\82¤ã\83\8aã\83ªã\83»ã\82½ã\83¼ã\82¹ã\83»man ã\83\9aã\83¼ã\82¸ã\81®å ´æ\89\80ã\82\92示ã\81\99
+whereis \- ã\82³ã\83\9eã\83³ã\83\89ã\81®ã\83\90ã\82¤ã\83\8aã\83ªã\80\81ã\82½ã\83¼ã\82¹ã\80\81ã\83\9eã\83\8bã\83¥ã\82¢ã\83«ã\83\95ã\82¡ã\82¤ã\83«ã\81\8cã\81©ã\81\93ã\81«ã\81\82ã\82\8bã\81\8bã\82\92çª\81ã\81\8dæ­¢ã\82\81ã\82\8b
 .SH 書式
-.B whereis
-[
-.B \-bmsu
-] [
-.B \-BMS
-.IR directory .\|.\|.
-.B \-f
-]
-\fIfilename\fP\|
-\&.\|.\|.
-.IX  "whereis command"  ""  "\fLwhereis\fP \(em find program"
-.IX  find "program \(em \fLwhereis\fP"
-.IX  "locate program"  ""   "locate program \(em \fLwhereis\fP"
-.IX  command  locate  ""   "locate \(em \fLwhereis\fP"
+\fBwhereis\fP [options] [\fB\-BMS\fP \fIdirectory\fP... \fB\-f\fP] \fIname\fP...
 .SH 説明
-.B whereis
-は指定したファイルのソース・バイナリ・man ページセクションの場所を示す。
-与えられた名前は、最初に始めのパス名の部分が取り除かれ、次に
-.BR .c
-のような
-.BI . ext
-という形式の拡張子が取り除かれる。
-ソースコード管理に使われている
-.B s.
-というプレフィックスがついたファイルも表示される。
-.B whereis
-は、標準的な Linux ファイル階層中で指定したプログラムを探す。
+\fBwhereis\fP は、指定されたコマンド名について、
+そのバイナリ、ソース、マニュアルファイルがどこにあるかを突き止める。
+\fBwhereis\fP に渡された名前は、まず先行するパス名の部分が取り除かれ、
+次に、末尾に \fB.\fP\fIext\fP の形を取る拡張子 (たとえば、\fB.c\fP など) があれば、それも
+(ひとつだけ) 取り除かれる。ソースコードコントロールシステム (SCCS)
+を使用したことによる \fBs.\fP という接頭辞への対応も行われる。\fBwhereis\fP
+は、それから、検索対象のプログラムなどを Linux の標準的な場所と、\fB$PATH\fP
+や \fB$MANPATH\fP によって指定されている場所で見つけ出そうとする。
+.IP "[\fB訳注\fP]" 8
+「\fBs.\fP という接頭辞への対応」というのは、たとえば、ls
+のソースファイルの探索を求められたときに、ls.c だけでなく、s.ls.c
+といったファイルも捜しに行くようにすることである。
+.PP
+検索対象の限定 (オプション \fB\-b\fP, \fB\-m\fP, \fB\-s\fP)
+は累加式であり、コマンドラインで後に続く \fIname\fP というパターンに適用される。
+なお、検索対象の限定をやり直すと、検索の条件が再設定されることになる。たとえば、
+.RS
+.sp
+\fBwhereis \-bm ls tr \-m gcc\fP
+.sp
+.RE
+は、"ls" と "tr" については、バイナリファイルと man
+ページを見つけようとし、"gcc" については、man ページだけを捜す。
+.sp
+オプション \fB\-B\fP, \fB\-M\fP, \fB\-S\fP は、後に続く \fIname\fP
+というパターンに対する検索パスを設定し直す。たとえば、
+.RS
+.sp
+\fBwhereis \-m ls \-M /usr/share/man/man1 \-f cal\fP
+.sp
+.RE
+は、"ls" の man ページは、デフォルトのパスのすべてで捜すが、"cal"
+については、/usr/share/man/man1 ディレクトリのみで検索する。
+
 .SH オプション
-.TP
-\fB\-b
-バイナリのみを探す。
-.TP
-.B \-m
-man ページセクションのみを探す。
-.TP
-.B \-s
-ソースのみを探す。
-.TP
-.B \-u
-通常とは異なるエントリを探す。
-要求されるタイプの 1 つのエントリがファイルにない場合、
-通常とは異なるファイルと呼ばれる。
-よって、
-.RB ` "whereis\ \ \-m\ \ \-u\ \ *" '
-は、カレントディレクトリのファイルから man ページがないものを探す。
-.TP
-.B \-B
-.B whereis
-がバイナリを探すディレクトリを変更または制限する。
-.TP
-.B \-M
-.B whereis
-が man ページセクションを探すディレクトリを変更または制限する。
-.TP
-.B \-S
-.B whereis
-がソースを探すディレクトリを変更または制限する。
-.TP
-.B \-f
-直前のディレクトリリストを終了させ、
-ファイル名指定の開始であることを示す。
-.BR \-B ,
-.BR \-M ,
-.B \-S
-オプションのいずれかを使う場合は、
-このオプションを
-.IR 使わなければならない 。
-.SH 例
-.B /usr/bin
-にあるファイルから
-.B /usr/man/man1
-に man ページがなく
-.BR /usr/src
-にソースがあるようなもの探す。
+.IP \fB\-b\fP
+バイナリを検索する。
+.IP \fB\-m\fP
+マニュアルを検索する。
+.IP \fB\-s\fP
+ソースを検索する。
+.IP \fB\-u\fP
+検出結果が異例であるコマンド名についてのみ表示する。
+ここで異例というのは、明示的に調査を要求した各タイプについて、検出結果がただ
+1 つではないことである。従って、'\fBwhereis \-m \-u *\fP' というコマンドは、
+カレントディレクトリのファイルのうちで、文書ファイルがまったく存在しないか、2
+つ以上存在するものを求めることになる。
+.RS
+.IP "[\fB訳注\fP]"
+この説明は古くなっているのではないかと思う。実際には、手元の
+util-linux 2.36 で '\fBwhereis -m -u *\fP'
+を実行しても、文書ファイルのまったく存在しないものについては、何も表示されない。2
+つ以上存在するものだけが表示される。
+.RE
+.IP "\fB\-B \fP\fIlist\fP"
+\fBwhereis\fP がバイナリを捜す場所を限定する。\fIlist\fP
+は、ホワイトスペース (訳注: スペースやタブ) で区切ったディレクトリのリストである。
+.IP "\fB\-M \fP\fIlist\fP"
+\fBwhereis\fP がマニュアルや info 形式の文書を捜す場所を限定する。\fIlist\fP
+は、ホワイトスペースで区切ったディレクトリのリストである。
+.IP "\fB\-S \fP\fIlist\fP"
+\fBwhereis\fP がソースを捜す場所を限定する。\fIlist\fP
+は、ホワイトスペースで区切ったディレクトリのリストである。
+.IP \fB\-f\fP
+ディレクトリのリストは直前で終わり、ここからファイル名が始まると知らせる。\fB\-B\fP,
+\fB\-M\fP, \fB\-S\fP オプションの何れかを使用するときは、これを\fI使わなければならない\fP。
+.IP \fB\-l\fP
+\fBwhereis\fP が実際に使用している検索パスのリストを表示する。\fB\-B\fP, \fB\-M\fP,
+\fB\-S\fP のどれも指定されていない場合にこのオプションが表示するのは、
+ハードコードされたパスのうちで、\fBwhereis\fP
+がシステム上で見つけることのできたものである。
+.TP 
+\fB\-h\fP, \fB\-\-help\fP
+ヘルプを表示して終了する。
+.TP 
+\fB\-V\fP, \fB\-\-version\fP
+バージョン情報を表示して終了する。
+.SH ファイルを検索するパス
+デフォルトで \fBwhereis\fP
+は、ハードコードされたパスを使って、ファイルを見つけようとするが、
+このパスは、グロブのパターンで定義されている。また、
+\fBwhereis\fP は、環境変数 \fB$PATH\fP と \fB$MANPATH\fP
+の内容をデフォルトの検索パスとして使用しようとする。
+どんなパスが使われているかを知る一番簡単な方法は、
+リストオプションの \fB\-l\fP を付け足すことである。\fB\-l\fP を使えば、\fB\-B\fP,
+\fB\-M\fP, \fB\-S\fP の効果も表示される。
+.SH 環境変数
+.IP WHEREIS_DEBUG=all
+デバッグ出力を有効にする。
+.SH 用例
+\fI/usr/bin\fP にあるファイルの内、\fI/usr/man/man1\fP にマニュアルがないか、
+\fI/usr/src\fP にソースのないものをすべて見つけ出す。
 .IP
-.nf
-.ft B
-example% cd /usr/bin
-example% whereis \-u \-M /usr/man/man1 \-S /usr/src \-f *
-.fi
-.ft R
-.SH ファイル
-.TP 20
-.B /{bin,sbin,etc}
-.TP
-.B /usr/{lib,bin,old,new,local,games,include,etc,src,man,sbin,
-.B X386,TeX,g++-include}
-.TP
-.B /usr/local/{X386,TeX,X11,include,lib,man,etc,bin,games,emacs}
-.SH 関連項目
-.BR chdir (2V)
-.SH バグ
-.B whereis
-は実行を速くするために
-.BR chdir (2V)
-を使うので、
-.BR \-M ,
-.BR \-S ,
-.B \-B
-に指定するパス名はフルパスでなければならない;
-つまりパス名は
-.RB ` / '
-で始まっていなければならない。
-.PP
-.B whereis
-はハードコードされたパスを持っているので、
-探しているものとは違うものが見つかるかもしれない。
+\fBcd /usr/bin\fP
+.br
+\fBwhereis \-u \-ms \-M /usr/man/man1 \-S /usr/src \-f *\fP
+.IP "[\fB訳注\fP]"
+上記のコマンドは、少なくとも手元の util-linux 2.36
+では、指定したディレクトリにマニュアルやソースがないものの表示はせず、たとえば
+passwd.1.gz と passwd.1ssl.gz のように、そうしたものが
+2 つ以上ある場合だけ表示するようだ。\fB-u\fP オプションの訳注も参照。なお、
+当方の場合、マニュアルがあるのは、/usr/share/man/man1 である。
+.SH 入手方法
+このコマンドは util\-linux パッケージの一部であり、Linux Kernel Archive
+<https://www.kernel.org/pub/linux/utils/util\-linux/>
+から入手できる。