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1 .\" Copyright (c) 2000 Andries Brouwer <aeb@cwi.nl>
2 .\" and Copyright (c) 2007 Michael Kerrisk <mtk.manpages@gmail.com>
3 .\" and Copyright (c) 2008, Linux Foundation, written by Michael Kerrisk
4 .\"      <mtk.manpages@gmail.com>
5 .\" based on work by Rik Faith <faith@cs.unc.edu>
6 .\" and Mike Battersby <mike@starbug.apana.org.au>.
7 .\"
8 .\" %%%LICENSE_START(VERBATIM)
9 .\" Permission is granted to make and distribute verbatim copies of this
10 .\" manual provided the copyright notice and this permission notice are
11 .\" preserved on all copies.
12 .\"
13 .\" Permission is granted to copy and distribute modified versions of this
14 .\" manual under the conditions for verbatim copying, provided that the
15 .\" entire resulting derived work is distributed under the terms of a
16 .\" permission notice identical to this one.
17 .\"
18 .\" Since the Linux kernel and libraries are constantly changing, this
19 .\" manual page may be incorrect or out-of-date.  The author(s) assume no
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21 .\" the use of the information contained herein.  The author(s) may not
22 .\" have taken the same level of care in the production of this manual,
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24 .\" professionally.
25 .\"
26 .\" Formatted or processed versions of this manual, if unaccompanied by
27 .\" the source, must acknowledge the copyright and authors of this work.
28 .\" %%%LICENSE_END
29 .\"
30 .\" Modified 2004-11-19, mtk:
31 .\" added pointer to sigaction.2 for details of ignoring SIGCHLD
32 .\" 2007-06-03, mtk: strengthened portability warning, and rewrote
33 .\"     various sections.
34 .\" 2008-07-11, mtk: rewrote and expanded portability discussion.
35 .\"
36 .\"*******************************************************************
37 .\"
38 .\" This file was generated with po4a. Translate the source file.
39 .\"
40 .\"*******************************************************************
41 .\"
42 .\" Japanese Version Copyright (c) 1997 HANATAKA Shinya
43 .\"         all rights reserved.
44 .\" Translated 1997-03-03, HANATAKA Shinya <hanataka@abyss.rim.or.jp>
45 .\" Modified 2000-09-24, HANATAKA Shinya <hanataka@abyss.rim.or.jp>
46 .\" Updated & Modified 2002-01-14, Yuichi SATO <ysato@h4.dion.ne.jp>
47 .\" Updated & Modified 2004-01-17, Yuichi SATO <ysato444@yahoo.co.jp>
48 .\" Updated & Modified 2005-01-07, Yuichi SATO
49 .\" Updated 2007-06-01, Akihiro MOTOKI <amotoki@dd.iij4u.or.jp>, LDP v2.50
50 .\" Updated 2007-06-13, Akihiro MOTOKI, LDP v2.55
51 .\" Updated 2008-08-08, Akihiro MOTOKI, LDP v3.05
52 .\" Updated 2012-05-29, Akihiro MOTOKI <amotoki@gmail.com>
53 .\" Updated 2013-05-06, Akihiro MOTOKI <amotoki@gmail.com>
54 .\" Updated 2013-07-22, Akihiro MOTOKI <amotoki@gmail.com>
55 .\"
56 .TH SIGNAL 2 2013\-04\-19 Linux "Linux Programmer's Manual"
57 .SH 名前
58 signal \- ANSI C シグナル操作
59 .SH 書式
60 \fB#include <signal.h>\fP
61 .sp
62 \fBtypedef void (*sighandler_t)(int);\fP
63 .sp
64 \fBsighandler_t signal(int \fP\fIsignum\fP\fB, sighandler_t \fP\fIsighandler\fP\fB);\fP
65 .SH 説明
66 \fBsignal\fP()  の動作は UNIX のバージョンにより異なる。 また、歴史的に見て Linux のバージョンによっても異なっている。
67 \fBこのシステムコールの使用は避け、\fP 代わりに \fBsigaction\fP(2)  を使用すること。 下記の「移植性」を参照。
68
69 \fBsignal\fP()  はシグナル \fIsignum\fP の処理方法を \fIhandler\fP に設定する。 \fIhandler\fP には、
70 \fBSIG_IGN\fP、 \fBSIG_DFL\fP、 プログラマが定義した関数 (「シグナル・ハンドラ」) のアドレスの いずれかを指定する。
71
72 シグナル \fIsignum\fP がプロセスに配送されると、以下のいずれかが発生する。
73 .TP  3
74 *
75 処理方法が \fBSIG_IGN\fP に設定されている場合、そのシグナルは無視される。
76 .TP 
77 *
78 処理方法が \fBSIG_DFL\fP に設定されている場合、シグナルに関連づけられた デフォルトの動作が行われる (\fBsignal\fP(7)  参照)。
79 .TP 
80 *
81 処理方法として関数が設定されている場合、 まず最初に処理方法が \fBSIG_DFL\fP にリセットされるかそのシグナルのブロックが実行された後、
82 \fIsignum\fP を引き数として \fIhandler\fP が呼び出される。 ハンドラが起動される際にシグナルがブロックされた場合、
83 ハンドラが返る際にそのシグナルのブロックが解除される。
84 .PP
85 シグナル \fBSIGKILL\fP と \fBSIGSTOP\fP は捕捉できず、無視することもできない。
86 .SH 返り値
87 \fBsignal\fP()  は、今までのシグナル・ハンドラの値を返す。 エラーの場合は \fBSIG_ERR\fP を返し、 \fIerrno\fP
88 にエラーの原因を示す値を設定する。
89 .SH エラー
90 .TP 
91 \fBEINVAL\fP
92 \fIsignum\fP が不正である。
93 .SH 準拠
94 C89, C99, POSIX.1\-2001.
95 .SH 注意
96 マルチスレッドプロセスにおける \fBsignal\fP()  の結果は、指定されていない。
97 .PP
98 POSIX では、 \fBkill\fP(2)  や \fBraise\fP(3)  で生成できないシグナル \fBSIGFPE\fP, \fBSIGILL\fP,
99 \fBSIGSEGV\fP を無視 (ignore) した場合、その後の動作は未定義である。 ゼロによる整数割り算の結果は未定義となる。
100 アーキテクチャーによっては、このとき \fBSIGFPE\fP シグナルが生成される。 (同様に負の最大整数を \-1 で割ると \fBSIGFPE\fP
101 が生成されるかもしれない)  このシグナルを無視すると無限ループに陥るかもしれない。
102 .PP
103 \fBSIGCHLD\fP の動作として \fBSIG_IGN\fP を設定した場合の詳細な動作については、 \fBsigaction\fP(2)  を参照すること。
104 .PP
105 シグナル・ハンドラ内から安全に呼び出すことができる、 async\-signal\-safe functions (非同期シングルで安全な関数) の
106 リストについては \fBsignal\fP(7)  を参照。
107 .PP
108 .\" libc4 and libc5 define
109 .\" .IR SignalHandler ;
110 \fIsighandler_t\fP の使用は GNU 拡張であり、 \fB_GNU_SOURCE\fP が定義された
111 場合に公開される。glibc では \fB_BSD_SOURCE\fP が定義された場合には (BSD
112 由来の) \fIsig_t\fP も定義される。このような型を使用しないと、
113 \fBsignal\fP() の宣言は読みにくいものとなる。
114 .in +4n
115 .nf
116
117 \fBvoid ( *\fP\fIsignal\fP\fB(int \fP\fIsignum\fP\fB, void (*\fP\fIhandler\fP\fB)(int)) ) (int);\fP
118 .fi
119 .in
120 .SS 移植性
121 移植性のある \fBsignal\fP()  の使い方は、シグナルの処理方法を \fBSIG_DFL\fP か \fBSIG_IGN\fP に設定する方法だけである。
122 シグナル・ハンドラを設定するのに \fBsignal\fP()  を使ったときの動作はシステムにより異なる (POSIX.1
123 は明示的にこの違いを認めている)。 \fB移植性が必要なときはこのシステムコールを使用しないこと。\fP
124
125 POSIX.1 は、 \fBsigaction\fP(2)  を規定することで移植性に関する混乱を解決した。 \fBsigaction\fP(2)
126 はシグナル・ハンドラが起動される際の挙動を明示的に制御できる。 \fBsignal\fP()  の代わりにこのインターフェイスを使うこと。
127
128 オリジナルの UNIX システムでは、 \fBsignal\fP()  を使って設定されたハンドラがシグナルの配送により起動されると、
129 そのシグナルの処理方法は \fBSIG_DFL\fP にリセットされ、システムは同じシグナルがさらに生成されても
130 シグナルの配送をブロックしなかった。これは、以下のフラグで \fBsigaction\fP(2) を呼び出すのと等価である。
131
132     sa.sa_flags = SA_RESETHAND | SA_NODEFER;
133
134 System V でも、 \fBsignal\fP()  に対してこれらの挙動を規定している。 こうした挙動はまずく、ハンドラがハンドラ自身を再設定する機会が
135 来るより前に、同じシグナルがまた配送される可能性がある。 さらに、同じシグナルが立て続けに配送されると、同じシグナルが
136 ハンドラを繰り返し起動されることになる。
137
138 BSD はこの状況が改善したが、残念なことに、その過程で既存の \fBsignal\fP() の挙動も変更された。 BSD
139 では、シグナルハンドラが起動された際、 シグナルの処理方法はリセットされず、 ハンドラの実行中は、同じシグナルのさらなる生成は配送がブロックされる。
140 また、 シグナルハンドラが中断された場合、 停止中のシステムコールのいくつかは自動的に再スタートされる。 BSD の挙動は、 以下のフラグを指定した
141 \fBsigaction\fP(2) の呼び出しと等価である。
142
143     sa.sa_flags = SA_RESTART;
144
145 Linux での状況は以下の通りである。
146 .IP * 2
147 カーネルの \fBsignal\fP()  システムコールは System V 方式を提供している。
148 .IP *
149 デフォルトでは、glibc 2 以降では、 \fBsignal\fP()  ラッパー関数はカーネルのシステムコールを起動しない。 代わりに、ラッパー関数は
150 BSD 方式を示すフラグを使って \fBsigaction\fP(2)  を呼び出す。 機能検査マクロ \fB_BSD_SOURCE\fP
151 を定義していれば、このデフォルトの動作となる。 デフォルトでは、 \fB_BSD_SOURCE\fP が定義される。 \fB_BSD_SOURCE\fP は
152 \fB_GNU_SOURCE\fP が定義された場合には暗黙のうちに定義され、 もちろん明示的に定義することもできる。
153 .sp
154 .\"
155 .\" System V semantics are also provided if one uses the separate
156 .\" .BR sysv_signal (3)
157 .\" function.
158 glibc 2 以降では、機能検査マクロ \fB_BSD_SOURCE\fP が定義されていなければ、 \fBsignal\fP()  は System V
159 方式となる。 (\fBgcc\fP(1)  が標準指定モード (\fI\-std=xxx\fP or \fI\-ansi\fP)  で起動された場合、もしくは
160 \fB_POSIX_SOURCE\fP, \fB_XOPEN_SOURCE\fP, \fB_SVID_SOURCE\fP
161 といった他の様々な機能検査マクロが定義された場合、 デフォルトの \fB_BSD_SOURCE\fP の暗黙の定義は行われない。
162 \fBfeature_test_macros\fP(7)  を参照のこと。)
163 .IP *
164 Linux の libc4 と libc5 の \fBsignal\fP()  関数は System V 方式である。 libc5 システムにおいて
165 \fI<signal.h>\fP のかわりに \fI<bsd/signal.h>\fP をインクルードすると、
166 \fBsignal\fP()  は \fB__bsd_signal\fP()  に再定義され、 \fBsignal\fP()  は BSD 方式となる。
167 .SH 関連項目
168 \fBkill\fP(1), \fBalarm\fP(2), \fBkill\fP(2), \fBkillpg\fP(2), \fBpause\fP(2),
169 \fBsigaction\fP(2), \fBsignalfd\fP(2), \fBsigpending\fP(2), \fBsigprocmask\fP(2),
170 \fBsigsuspend\fP(2), \fBbsd_signal\fP(3), \fBraise\fP(3), \fBsiginterrupt\fP(3),
171 \fBsigqueue\fP(3), \fBsigsetops\fP(3), \fBsigvec\fP(3), \fBsysv_signal\fP(3),
172 \fBsignal\fP(7)
173 .SH この文書について
174 この man ページは Linux \fIman\-pages\fP プロジェクトのリリース 3.53 の一部
175 である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は
176 http://www.kernel.org/doc/man\-pages/ に書かれている。