OSDN Git Service

(split) LDP: Addresses fuzzy strings in 3.53
[linuxjm/LDP_man-pages.git] / draft / man7 / bootparam.7
1 .\" Copyright (c) 1995,1997 Paul Gortmaker and Andries Brouwer
2 .\"
3 .\" %%%LICENSE_START(GPLv2+_DOC_FULL)
4 .\" This is free documentation; you can redistribute it and/or
5 .\" modify it under the terms of the GNU General Public License as
6 .\" published by the Free Software Foundation; either version 2 of
7 .\" the License, or (at your option) any later version.
8 .\"
9 .\" The GNU General Public License's references to "object code"
10 .\" and "executables" are to be interpreted as the output of any
11 .\" document formatting or typesetting system, including
12 .\" intermediate and printed output.
13 .\"
14 .\" This manual is distributed in the hope that it will be useful,
15 .\" but WITHOUT ANY WARRANTY; without even the implied warranty of
16 .\" MERCHANTABILITY or FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE.  See the
17 .\" GNU General Public License for more details.
18 .\"
19 .\" You should have received a copy of the GNU General Public
20 .\" License along with this manual; if not, see
21 .\" <http://www.gnu.org/licenses/>.
22 .\" %%%LICENSE_END
23 .\"
24 .\" This man page written 950814 by aeb, based on Paul Gortmaker's HOWTO
25 .\" (dated v1.0.1, 15/08/95).
26 .\" Major update, aeb, 970114.
27 .\" FIXME ? The use of quotes on this page is inconsistent with the
28 .\" rest of man-pages.
29 .\"
30 .\"*******************************************************************
31 .\"
32 .\" This file was generated with po4a. Translate the source file.
33 .\"
34 .\"*******************************************************************
35 .TH BOOTPARAM 7 2013\-06\-08 Linux "Linux Programmer's Manual"
36 .SH 名前
37 bootparam \- Linux カーネル起動時パラメータの解説
38 .SH 説明
39 Linux カーネルは起動するときに「コマンドラインオプション」あるいは 「起動時パラメータ」を受け付ける。 これは一般に、
40 カーネルには決定できないハードウェアのパラメータをカーネルに渡したい場合や、
41 カーネルが検出するであろう値を意図的に無効にしたり変更したりする場合に用いる。
42
43 カーネルが BIOS から直接起動されるとき (たとえば 'cp zImage /dev/fd0' でフロッピーにコピーしたカーネルから起動するなど)
44 は、 パラメータを指定する機会はない。 そのため、この起動時パラメータ機能を利用するためには、 GRUB
45 のようなパラメータを指定できるブートローダーを使用しなければならない。
46
47 .\" The LILO program (LInux LOader) written by Werner Almesberger is the
48 .\" most commonly used.
49 .\" It has the ability to boot various kernels, and
50 .\" stores the configuration information in a plain text file.
51 .\" (See
52 .\" .BR lilo (8)
53 .\" and
54 .\" .BR lilo.conf (5).)
55 .\" LILO can boot DOS, OS/2, Linux, FreeBSD, UnixWare, etc., and is quite flexible.
56 .\"
57 .\" The other commonly used Linux loader is 'LoadLin', which is a DOS
58 .\" program that has the capability to launch a Linux kernel from the DOS
59 .\" prompt (with boot-args) assuming that certain resources are available.
60 .\" This is good for people that want to launch Linux from DOS.
61 .\"
62 .\" It is also very useful if you have certain hardware which relies on
63 .\" the supplied DOS driver to put the hardware into a known state.
64 .\" A common example is 'SoundBlaster Compatible' sound cards that require
65 .\" the DOS driver to twiddle a few mystical registers to put the card
66 .\" into a SB compatible mode.
67 .\" Booting DOS with the supplied driver, and
68 .\" then loading Linux from the DOS prompt with loadlin avoids the reset
69 .\" of the card that happens if one rebooted instead.
70 .SS 引数リスト
71 カーネルのコマンドラインはパースされ、スペースで区切られた文字列 (\fI起動時引数: boot arguments\fP)  のリストとなる。
72 ほとんどの起動時引数は次の書式である。
73
74 .in +4n
75 .nf
76 name[=value_1][,value_2]...[,value_10]
77 .fi
78 .in
79 .LP
80 ここで 'name' は、それに対応する値がカーネルのどの部分に渡されるものなのかを 識別するための、他と重ならないキーワードである。 書式中の 10
81 という制限は実際に存在する。 現在のコードは、キーワードひとつあたり、コンマで区切られたパラメータを 10 個までしか取り扱うことができない。
82 (しかし、事情が非常に複雑な場合には、同じキーワードを再度利用して 10 個以上のパラメータを与えることができるかもしれない。
83 対象となるハードウェアの設定関数がそれをサポートしていれば、だが。)
84
85 カーネルコマンドラインの識別はほとんどがカーネルソースファイル \fIinit/main.c\fP に書かれている。 最初に、カーネルは \&'root=',
86 \&'nfsroot=', 'nfsaddrs=', 'ro', 'rw', 'debug', 'init' といった特別な引数があるかをチェックする。
87 これらの意味については後述する。
88
89 カーネルは次に設定関数のリスト (配列 bootsetups に含まれている) をスキャンし、 指定された引数文字列 (例えば 'foo') が
90 特定のデバイスやカーネルの一部に対する設定関数 ('foo_setup()') に関連付けられているかを調べる。 例えばカーネルに
91 foo=3,4,5,6 のようなパラメータを与えたとすると、 カーネルは配列 bootsetups を調べて、 'foo' が登録されているか調べる。
92 登録されていたら、'foo' に対応する設定関数 ('foo_setup()') をコールし、 カーネルコマンドラインに与えられた引数である 3, 4,
93 5, 6 を設定関数に渡す。
94
95 \&'foo=bar' という形式の引数のうち、 上記のように設定関数に受け入れられなかったものは、 環境変数と解釈されて設定される。
96 (あまり役に立たない?) 例としては、'TERM=VT100' がある。
97
98 カーネルによって処理されず、環境変数としても解釈されなかった 残りの引数は、プロセス 1 に渡されることになる。 通常このプロセス 1 は
99 \fBinit\fP(1) プログラムである。 \fIinit\fP プロセスに渡される引数で最もよく使われるのは、 'single' というキーワードである。
100 これを指定すると init はシングルユーザモードでコンピュータを起動し、 通常使われるデーモンは一切起動しない。 システムにインストールされている
101 \fBinit\fP(1) が どんな引数を受け付けるかは、 マニュアルページで調べること。
102 .SS 一般的な、デバイス固有ではない起動時引き数
103 .TP 
104 \&\fB'init=...'\fP
105 カーネルが実行する初期コマンドを設定する。 この指定がなされなかったり、指定したコマンドが見つからなかった場合には、 カーネルは
106 \fI/sbin/init\fP, \fI/etc/init\fP, \fI/bin/init\fP, \fI/bin/sh\fP の順で実行を試み、すべてに失敗したら
107 panic を起こす。
108 .TP 
109 \&\fB'nfsaddrs=...'\fP
110 nfs のブートアドレスを指定した文字列に設定する。 このブートアドレスはネットワークブートの場合に用いられる。
111 .TP 
112 \&\fB'nfsroot=...'\fP
113 nfs ルートの名前を設定する。 この文字列の先頭が '/'、','、数字のいずれでもでないときは、 \&'/tftpboot/' が先頭に付加される。
114 この名前はネットワークブートの場合に用いられる。
115 .TP 
116 \&\fB'no387'\fP
117 (カーネルのコンパイル時に \fBCONFIG_BUGi386\fP が指定されたときのみ有効。)  一部の i387 コプロセッサチップには、 32
118 ビットプロテクトモードでの使用時に生じるバグがある。 例えば初期の ULSI\-387 チップは、 浮動小数点演算を行なうと確実にロックアップしてしまう。
119 この起動時引数 'no387' を指定すると、 Linux はコプロセッサがあってもそれを無視するようになる。
120 なおもちろん、カーネルコンパイル時に浮動小数点演算をエミュレートする (kernel math emulation) 指定をしなければならない!
121 .TP 
122 \&\fB'no\-hlt'\fP
123 (カーネルのコンパイル時に \fBCONFIG_BUGi386\fP が指定されたときのみ有効。)  初期の i486DX\-100 チップの一部では
124 \&'hlt' 命令に問題があって、 この命令を使うとオペレーティングモードに正しく戻って来ない。 \&'no\-hlt' を指定すれば、Linux
125 はアイドリング時に CPU を停止 (halt) するかわりに無限ループを実行するようになる。 これによって、そのようなバグのあるチップでも Linux
126 を使用できる。
127 .TP 
128 \&\fB'root=...'\fP
129 起動時にルートファイルシステムとして使われるデバイスをカーネルに指定する。 デフォルトはコンパイル時に決定され、
130 通常はカーネルを構築したシステムのルートデバイスになる。 この値を無効にして、 例えば 2
131 番目のフロッピーディスクドライブをルートデバイスに指定する場合は、 \&'root=/dev/fd1' とする。
132
133 ルートデバイスの指定にはシンボル形式と数値形式を用いることができる。 シンボル形式の場合は \fI/dev/XXYN\fP という書式で指定する。 XX
134 にはデバイスタイプを指定する。 Y にはドライブレターもしくはドライブ番号、 N には (フロッピーディスクを除く) ディスクの パーティション番号を
135 10 進数の数値で指定する。 (ST\-506 互換ハードディスクではデバイスタイプが 'hd' で Y の範囲は 'a' から 'd'、 SCSI
136 ディスクは 'sd' で Y は 'a' から 'e'、 Atari ACSI ディスクは 'ad' で Y は 'a' から 'e'、 Syquest
137 EZ135 パラレルポートリムーバブルディスクは 'ez' で Y は 'a' のみ、 XT ディスクは 'xt' で Y は 'a' か 'b'、
138 フロッピーディスクは 'fd' で Y にはドライブ番号を指定する。 fd0 は DOS の 'A:'、fd1 は 'B:' に対応している。
139 パーティションは存在しないので N は指定しない。)  最新のカーネルでは、他にも次のような多くのデバイスタイプを指定できる (ほとんどは CD\-ROM
140 だが): nfs, ram, scd, mcd, cdu535, aztcd, cm206cd, gscd, sbpcd, sonycd, bpcd。
141 (nfs はネットワークブートに、ram は RAM ディスクを使用する場合に用いる。)
142
143 なお、これらはファイルシステム上でのデバイスの指定方法とは全く関係ない。 \&'/dev/' を用いるのは単に慣習に過ぎない。
144
145 扱いにくいし移植性も良くないが、 上記のデバイスを major/minor 番号の数値で指定してもよい。 (例えば \fI/dev/sda3\fP は
146 major 番号 8、minor 番号 3 なので、 \&'root=0x803' と記述できる。)
147 .TP 
148 \&\fB'rootfstype=...'\fP
149 \&'rootfstype' オプションが指定されると、 カーネルは、 指定されたタイプであるとみなしてルートファイルシステムをマウントする。
150 このオプションは、 例えば、ext3 ファイルシステムを ext2 としてマウントし、 ルートファイルシステムのジャーナルを削除する場合に便利である。
151 こうすると、 別のメディアからマシンを起動することなく ext3 から ext2 へ戻すことができる。
152 .TP 
153 \&\fB'ro'\fP と \fB'rw'\fP
154 \&'ro' オプションは、 ルートファイルシステムを 「読み出し専用」でマウントするようカーネルに指示し、 fsck
155 プログラムがファイルシステムの矛盾を検査できるようにする。 ファイルシステムが「読み書き可能」として再マウントされる (つまり 'mount \-w \-n
156 \-o remount /') までの間は、 いかなるプロセスもこのファイルシステム上のファイルに書き込むことはできない。 (\fBmount\fP(8)
157 も参照。)
158
159 rw オプションはルートファイルシステムを 「読み書き可能」でマウントするようカーネルに指示する。 こちらがデフォルトである。
160
161 .TP 
162 \&\fB'resume=...'\fP
163 このオプションは、 マシンを休止状態 (ハイバネーション) から再起動する際の、ディスク上に保存したデータの起動位置をカーネルに指示する。
164 通常は、スワップパーティションやスワップファイルと同じである。例えば、
165
166 .in +4n
167 .nf
168 resume=/dev/hda2
169 .fi
170 .in
171 .TP 
172 \&\fB'reserve=...'\fP
173 デバイスの自動検出から I/O ポートを保護するために用いる。 コマンドの形式は以下の通り。
174
175 .in +4n
176 .nf
177 \fBreserve=\fP\fIiobase,extent[,iobase,extent]...\fP
178 .fi
179 .in
180 .sp
181 機種によっては、 デバイスドライバによるデバイスの自動検出を、 特定の範囲に対しては禁止しなければならないことがある。
182 ハードウェアが検出動作によって深刻な問題を引き起こす場合や、 誤認識される可能性がある場合、
183 また単にカーネルにハードウェアを初期化させたくない場合などがありうるだろう。
184
185 この起動時引数 reserve は、自動検出の対象外とする I/O ポートの範囲を指定する。 デバイスドライバは、
186 他の起動時引数によって明示的に指定されない限り、 予約された範囲に対して自動検出動作を行わない。
187
188 例えばブート時のコマンドラインに
189
190 .in +4n
191 .nf
192 reserve=0x300,32  blah=0x300
193 .fi
194 .in
195 .IP
196 と指定すると、'blah' を除くすべてのデバイスドライバは 0x300 から 0x31f の範囲を自動検出の対象外とする。
197 .TP 
198 \&\fB'mem=...'\fP
199 搭載されているメモリの量を返す BIOS コールは PC の仕様で定義されているが、これは最大 64MB までしか返すことができない。 Linux
200 は搭載メモリの量を調べるために、 起動時にこの BIOS コールを使用する。 もし 64MB 以上の RAM を搭載している場合は、
201 この起動時引数を用いて 実際のメモリ容量を Linux に知らせることができる。 値は 10 進数または 16 進数 (先頭に 0x を付加)
202 の数値で指定し、 1024 倍を表す 'k' または 1048576 倍を表す 'M' を末尾に付加できる。 以下は Linus による 'mem='
203 パラメータの解説である。
204
205 .in +0.5i
206 カーネルは 'mem=xx' パラメータとして どんな値を指定してもそれをそのまま受け入れる。 だからそれが嘘だとわかったら、
207 遅かれ早かれひどいクラッシュをするだろう。 パラメータはアクセスしうる最も高位の RAM アドレスを指示する。 だから例えば
208 \&'mem=0x1000000' っていうのは 16MB のメモリがある、という意味になる。 96MB のマシンなら 'mem=0x6000000' だ。
209
210 \fB注意\fP: マシンによってはメモリの最上位の領域を BIOS のキャッシュやら何やらの ために使っていることがあるから、 実際には 96MB
211 をフルにアドレスすることはできないかもしれない。 逆の場合もある。 いくつかのチップセットでは、 BIOS
212 領域に入っている物理メモリを最上位のメモリのさらに上にマップする。 よって最上位のメモリはたとえば 96MB + 384kB
213 なんて値になるかもしれない。 linux に実際より多いメモリを教えてしまったとしたら、 まずいことが起きるだろう。
214 すぐにではないかもしれないけど、ゆくゆくは確実にね。
215 .in
216
217 また、起動時引数に 'mem=nopentium' を指定すると、 pentium とそれ以降の CPU を使った IA32
218 システム用に設定されたカーネルで 4MB のページテーブルを無効にすることができる。
219 .TP 
220 \&\fB'panic=N'\fP
221 デフォルトでは、カーネルはパニックの後リブートしない。 このオプションを用いて (N を 0 より大きな値とすれば)  N
222 秒後にリブートするようになる。 この値は、起動後に以下のようにして設定することもできる。
223
224 .in +4n
225 .nf
226 echo N > /proc/sys/kernel/panic
227 .fi
228 .in
229 .TP 
230 \&\fB'reboot=[warm|cold][,[bios|hard]]'\fP
231 (カーネルコンパイル時に \fBCONFIG_BUGi386\fP が指定されたときのみ有効。)  カーネルバージョン 2.0.22 から、
232 リブートのデフォルトはコールドブートになった。 以前のデフォルトであるウォームブートをするには \&'reboot=warm'
233 と指定しなければならない。 (ある種のハードウェアをリセットするにはコールドブートが必要になるが、
234 ディスクキャッシュにある書き込んでいないデータは破壊される。 ウォームブートでは、より素早くリブートできる。)  デフォルトではリブートは 'hard'
235 で行われる。 すなわちリセットラインに low を出力するようキーボードコントローラに要求して、 リブートを行う。
236 しかし一部のマザーボードではこれができない。 \&'reboot=bios' オプションを指定すると、 代わりに BIOS を経由するようになる。
237 .TP 
238 \&\fB'nosmp'\fP と \fB'maxcpus=N'\fP
239 (カーネルのコンパイル時に __SMP__ が指定されたときのみ有効。)  コマンドラインオプションに 'nosmp' または 'maxcpus=0'
240 を指定すると、 SMP (Symmetric Multi Processing) を完全に無効にする。 \&'maxcpus=N' オプションは、
241 SMP モードで有効にする CPU の最大数を N に制限する。
242 .SS カーネル開発者用の起動時引数
243 .TP 
244 \&\fB'debug'\fP
245 カーネルが出力するメッセージはカーネルログデーモン klogd に渡され、 ディスクに記録できるようになる。 プライオリティが
246 \fIconsole_loglevel\fP のメッセージはコンソールにも表示される。
247 (これらのレベルについては、\fI<linux/kernel.h>\fP を参照。)  デフォルトではこの変数は、
248 デバッグメッセージよりも重要なあらゆるメッセージを記録するよう設定されている (デバッグメッセージは含まない)。 この起動時引数を指定すると、
249 カーネルはプライオリティが DEBUG のメッセージも出力するようになる。 \fIconsole_loglevel\fP も klogd
250 にオプションを渡せば実行時に設定できる。 \fBklogd\fP(8)  を参照。
251 .TP 
252 \&\fB'profile=N'\fP
253 カーネルがどこで CPU サイクルを消費しているか調べたい場合には、 カーネルのプロファイリング機能を有効にすればこれを実現できる。
254 カーネルプロファイリングは、変数 \fIprof_shift\fP を 0 以外の値にセットすると有効になる。 この値はコンパイル時に
255 \fBCONFIG_PROFILE\fP で指定するか、 この 'prifile=N' オプションで指定できる。 \fIprof_shift\fP の値は N
256 が指定されれば N となり、N が指定されなかった場合は \fBCONFIG_PROFILE_SHIFT\fP の値が用いられる。
257 どちらも指定されなければデフォルト値の 2 が用いられる。 この変数が重要なのは、 カーネルプロファイリングの粒度を決定するところにある。
258 すなわち、各クロックの割込みごとに、システムがカーネルコードを実行していれば、 以下のようにカウンタの値がインクリメントされる。
259
260 .in +4n
261 .nf
262 profile[address >> prof_shift]++;
263 .fi
264 .in
265 .sp
266 生のプロファイリング情報は、 \fI/proc/profile\fP から見ることができるが、readprofile.c
267 のような情報を加工するツールを使ったほうが良いだろう。 \fI/proc/profile\fP に任意のデータを書込むと、 カウンタはリセットされる。
268 .TP 
269 \&\fB'swap=N1,N2,N3,N4,N5,N6,N7,N8'\fP
270 カーネルのスワップアルゴリズムをコントロールする 次の 8 つのパラメータをセットする。 max_page_age, page_advance,
271 page_decline, page_initial_age, age_cluster_fract, age_cluster_min,
272 pageout_weight, bufferout_weight.  これはカーネルをチューンする人のためのオプションである。
273 .TP 
274 \&\fB'buff=N1,N2,N3,N4,N5,N6'\fP
275 カーネルのバッファメモリ管理をコントロールする 次の 6 つのパラメータをセットする。 max_buff_age, buff_advance,
276 buff_decline, buff_initial_age, bufferout_weight, buffermem_grace.
277 これはカーネルをチューンする人のためのオプションである。
278 .SS "RAM ディスク関連の起動時引数"
279 (カーネルのコンパイル時に \fBCONFIG_BLK_DEV_RAM\fP オプションが指定されたときのみ有効。)  一般的には、Linux で RAM
280 ディスクを使用するのはあまり良い考えではない。 システムに任せておけばもっと効率的にメモリを使用する。 しかしブート時
281 (またはブートフロッピーの作成中) には、 フロッピーの内容を RAM ディスクにロードすると便利かもしれない。
282 メインディスクがアクセス可能になる前に、 (ファイルシステムやハードウェアに関する)
283 モジュールをいくつかロードしなければならないシステムもあるだろう。
284
285 Linux のバージョン 1.3.48 において、 RAM ディスクの取り扱いが根底から変化した。 それ以前までは、メモリは静的に割り当てられ、
286 \&'ramdisk=N' パラメータでそのサイズを指定していた (この値はコンパイル時にカーネルイメージに指定することもできた)。  現在は RAM
287 ディスクはバッファキャッシュを使用しており、 動的に拡張される。 新しい RAM ディスクの動作に関する多くの情報が、 カーネルソースファイル
288 \fIDocumentation/blockdev/ramdisk.txt\fP (古いカーネルでは
289 \fIDocumentation/ramdisk.txt\fP) にある。
290
291 4 つのパラメータがある。論理値をとるものが 2 つ、整数値をとるものが 2 つ。
292 .TP 
293 \&\fB'load_ramdisk=N'\fP
294 N=1 なら RAM ディスクをロードする。N=0 ならロードしない (デフォルト)。
295 .TP 
296 \&\fB'prompt_ramdisk=N'\fP
297 N=1 ならフロッピー挿入を促すプロンプトを出す (デフォルト)。 N=0 ならプロンプトを出さない。
298 (従って、このパラメータを指定する必要はまず無いであろう。)
299 .TP 
300 \&\fB'ramdisk_size=N'\fP もしくは (古い形式の) \fB'ramdisk=N'\fP
301 ラムディスクの最大サイズを N kB (キロバイト) にセットする。 省略時は 4096 (4 MB)。
302 .TP 
303 \&\fB'ramdisk_start=N'\fP
304 開始ブロック番号 (フロッピー先頭からのオフセットで指定した RAM ディスクの開始点)  を N にセットする。 これはカーネルイメージのあとに
305 RAM ディスクイメージを置く場合に必要となる。
306 .TP 
307 \&\fB'noinitrd'\fP
308 (カーネルのコンパイル時に \fBCONFIG_BLK_DEV_RAM\fP と \fBCONFIG_BLK_DEV_INITRD\fP
309 が指定されているときのみ有効。)  最近は initrd を使用するようにカーネルをコンパイルできる。 このオプションが指定されると、
310 ブートプロセスはカーネルと RAM ディスクをロードし、 カーネルは initrd を「普通の」 RAM ディスクに変換し、 この RAM
311 ディスクがルートデバイスとして「読み書き可能」でマウントされる。 次に \fI/linuxrc\fP が実行される。
312 その後「真の」ルートファイルシステムがマウントされ、 initrd ファイルシステムは \fI/initrd\fP に移される。 最後に通常のブートシーケンス
313 (具体的には \fI/sbin/init\fP の呼び出し) が実行される。
314
315 initrd に関する詳細な解説はカーネルソースファイル \fIDocumentation/initrd.txt\fP を参照。
316
317 \&'noinitrd' オプションを用いると、 カーネルは (initrd 動作を行うようにコンパイルされている場合でも)
318 上記の動作を行なわず、代わりに initrd のデータを \fI/dev/initrd\fP に残す。 (このデバイスは一度しか使えない。
319 データは、そのデータを使った最後のプロセスが \fI/dev/initrd\fP をクローズするとすぐに解放される。)
320 .SS "SCSI デバイス用の起動時引数"
321 この節における用語:
322
323 \fIiobase\fP \-\- SCSI ホストアダプタが占有する I/O ポートの先頭アドレス。 16 進表記で指定し、通常 0x200 から 0x3ff
324 の範囲に位置する。
325
326 \fIirq\fP \-\- カードが利用するハードウェア割り込み。有効な値はカードに よって異なるが、通常は 5, 7, 9, 10, 11, 12, 15
327 である。 これ以外の値は通常、IDE ハードディスク、フロッピー、 シリアルポートといった一般的な周辺機器によって使用される。
328
329 \fIscsi\-id\fP \-\- SCSI バス上のホストアダプタが自分自身を識別するために使用する ID 番号。
330 この値を変更できるホストアダプタもごく希に存在するが、 ほとんどはアダプタ内部で固定されている。 よく使われるデフォルト値は 7
331 であるが、Seagate もしくは Future Domain 製の TMC\-950 ボードでは 6 が使われる。
332
333 \fIparity\fP \-\- SCSI ホストアダプタが取り付けられたデバイスとの通信に際して パリティ値を必要とするかどうか。 1
334 を指定するとパリティチェックが有効になり、 0 でパリティチェックが無効になる。 しかし、すべてのデバイスがこの起動時引数によるパリティの選択を
335 サポートするわけではない。
336 .TP 
337 \&\fB'max_scsi_luns=...'\fP
338 SCSI デバイスは複数の「サブデバイス」を自分自身の内部に持つことができる。 最もよくある例として、一時に 1 枚以上のディスクを扱うことができる
339 (チェンジャー機能付の) SCSI CD\-ROM がある。 それぞれの CD はそのデバイスの 「論理ユニット番号 (LUN)」によって特定される。
340 しかしほとんどのデバイス (例えばハードディスクやテープドライブ) は、 LUN 番号 0 が割り当てられた、ただひとつのデバイスからなる。
341
342 設計が不十分な SCSI デバイスでは 0 以外の LUN 番号への自動検出を 扱えないことがある。 したがって、コンパイル時に
343 \fBCONFIG_SCSI_MULTI_LUN\fP オプションが指定されていないと、 最近のカーネルではデフォルトでは LUN 番号 0 のみを検出する。
344
345 起動時に調べる LUN 番号を指定する場合、起動時引数として \&'max_scsi_luns=n' を指定する。n は 1 から 8 の間で指定する。
346 n=1 以上の値を使用しないようにすれば、 このようないかれた機械にひどい目にあわされずにすむだろう。
347 .TP 
348 \fBSCSI テープドライブの設定\fP
349 SCSI テープドライバの起動時設定の一部は以下のようにして行なうことができる。
350
351 .in +4n
352 .nf
353 \fBst=\fP\fIbuf_size[,write_threshold[,max_bufs]]\fP
354 .fi
355 .in
356 .sp
357 最初の 2 つの数字は kB 単位で指定する。 \fIbuf_size\fP のデフォルトは 32kB である。上限は 16384kB まで指定できる。
358 \fIwrite_threshold\fP はデータ書き出しの閾値で、 バッファのデータのサイズがこの値を越えるとデータはテープに書き出される。
359 デフォルト値は 30kB である。 バッファ数の最大値 (\fImax_bufs\fP)  は検出されたドライブの数によって変化するが、デフォルトは 2
360 である。 使用例を以下に示す。
361
362 .in +4n
363 .nf
364 st=32,30,2
365 .fi
366 .in
367 .IP
368 詳細は Linux カーネルソース内の \fIDocumentation/scsi/st.txt\fP (古いカーネルの場合は
369 \fIdrivers/scsi/README.st\fP) に書かれている。
370 .TP 
371 \fBAdaptec aha151x, aha152x, aic6260, aic6360, SB16\-SCSI の設定\fP
372 aha に続く番号はカードを表し、 aic に続く番号はカードに搭載されている実際のチップを表す (Soundblaster\-16 SCSI
373 も後者に含まれる)。
374
375 SCSI ホストの検出コードは、 インストールされている BIOS を探す。 見つからないと、カードは検出できない。
376 この場合は以下のように起動時引数を指定することになる。
377
378 .in +4n
379 .nf
380 \fBaha152x=\fP\fIiobase[,irq[,scsi\-id[,reconnect[,parity]]]]\fP
381 .fi
382 .in
383 .IP
384 もしドライバのコンパイル時にデバッグオプションを指定していた場合は、 6 番目の値でデバッグレベルを指定できる。
385
386 すべてのパラメータは、このセクションの最初で説明した通りである。 \fIreconnect\fP に 0
387 以外の値を指定すると、デバイスを切断したり接続したりできる。 以下に例を示す。
388
389 .in +4n
390 .nf
391 aha152x=0x340,11,7,1
392 .fi
393 .in
394 .IP
395 パラメータは必ず上記の順番どおりに指定されなければならない。 例えば、パリティ (parity) を設定したい場合には、 iobase, irq,
396 scsi\-id, reconnect も同時に指定する必要がある。
397 .TP 
398 \fBAdaptec aha154x の設定\fP
399 aha1542 シリーズのカードは i82077 フロッピーディスクコントローラをボードに搭載している。 一方 aha1540
400 シリーズのカードは搭載していない。 これらは共にバスマスタカードであり、 他のデバイスとバスを共有する際に、
401 どのくらい「フェアに」振る舞うかを指定するパラメータがある。 起動時引数は以下のようにして指定する。
402
403 .in +4n
404 .nf
405 \fBaha1542=\fP\fIiobase[,buson,busoff[,dmaspeed]]\fP
406 .fi
407 .in
408 .IP
409 有効な iobase の値は次の通り。 0x130, 0x134, 0x230, 0x234, 0x330, 0x334。
410 クローンカードの中には他の値を指定できるものもある。
411
412 \fIbuson\fP, \fIbusoff\fP 値はカードがISA バスを占有する時間をマイクロ秒単位で指定する。 省略時はそれぞれ 11us on と 4us
413 off になっているので、 他のカード (例えば ISA LANCE イーサネットカード) も ISA バスにアクセスできる。
414
415 \fIdmaspeed\fP 値は DMA (Direct Memory Access) 転送速度を MB/s 単位で設定する。 省略時は 5MB/s
416 である。新しいリビジョンのカードでは、 この値を使ったソフトウェアによる設定ができる。 古いカードはジャンパ設定を必要とする。
417 マザーボードが対応していれば最大 10MB/s まで指定可能である。 5MB/s 以上の値を使う場合は注意して実験してからにすること。
418 .TP 
419 \fBAdaptec aha274x, aha284x, aic7xxx の設定\fP
420 これらのボードは以下の形式で指定する。
421
422 .in +4n
423 .nf
424 \fBaic7xxx=\fP\fIextended,no_reset\fP
425 .fi
426 .in
427 .IP
428 \fIextended\fP 値が 0 以外の時は、大容量ディスク用の拡張変換が有効になる。 \fIno_reset\fP 値を 0
429 以外の値にすると、ホストアダプタの検出時に、 ドライバによる SCSI バスの初期化を行わない。
430 .TP 
431 \fBAdvanSys SCSI ホストアダプタの設定 ('advansys=')\fP
432 AdvanSys ドライバはカードの検出先として 4 つの I/O アドレスを受け付ける。 EISA や PCI
433 カードではこれらを指定しても全く効果が無い。 ISA 及び VLB カードの検出に対してのみ用いられる。
434 さらに、デバッグオプション付きでドライバがコンパイルされている場合、 デバッグ情報の出力レベルとして 0xdeb[0\-f] パラメータを追加できる。
435 0\-f によりデバッグメッセージの情報のレベルを 16 段階で指定する。
436 .TP 
437 \fBAM53C974\fP
438 構文は以下の通り。
439
440 .in +4n
441 .nf
442 \fBAM53C974=\fP\fIhost\-scsi\-id,target\-scsi\-id,max\-rate,max\-offset\fP
443 .fi
444 .in
445 .TP 
446 \fBBusLogic SCSI ホストアダプタの設定 ('BusLogic=')\fP
447
448 構文は以下の通り。
449 .in +4n
450 .nf
451 \fBBusLogic=\fP\fIN1,N2,N3,N4,N5,S1,S2,...\fP
452 .fi
453 .in
454 .IP
455 .\" (lines 3149-3270 in the kernel version I am looking at).
456 Buslogic のコマンドラインパラメータに関する詳細な議論はカーネルソースファイル \fIdrivers/scsi/BusLogic.c\fP
457 を参照すること。 以下はこれを非常におおざっぱに要約したものである。
458
459 パラメータ N1 から N5 までは整数である。 パラメータ S1 以降は文字列である。 N1 はホストアダプタが存在する I/O アドレス。 N2
460 はタグキューイングをサポートするデバイスに対して使用するキューの深さ。 N3 はバス安定時間 (BST) を秒単位で指定する。
461 これはホストアダプタのハードリセットにより SCSI バスをリセットしてから SCSI コマンドの発行を開始するまでの待ち時間である。 N4
462 はローカルオプション (ひとつのホストアダプタ用)。 N5 はグローバルオプション (すべてのホストアダプタ用)。
463
464 文字列オプションは以下の動作を制御する: タグキューイング (TQ:Default, TQ:Enable, TQ:Disable,
465 TQ:<Per\-Target\-Spec>)、 エラー復帰 (ER:Default, ER:HardReset,
466 ER:BusDeviceReset, ER:None, ER:<Per\-Target\-Spec>)、 ホストアダプタの検出
467 (NoProbe, NoProbeISA, NoSortPCI)。
468 .TP 
469 \fBEATA/DMA の設定\fP
470 検出対象にする I/O ポートのデフォルトのリストは以下のようにして変更できる。
471
472 .in +4n
473 .nf
474 \fBeata=\fP\fIiobase,iobase,...\fP\fB.\fP
475 .fi
476 .in
477 .TP 
478 \fBFuture Domain TMC\-16x0 の設定\fP
479 構文は以下の通り。
480
481 .in +4n
482 .nf
483 \fBfdomain=\fP\fIiobase,irq[,adapter_id]\fP
484 .fi
485 .in
486 .TP 
487 \fBGreat Valley Products (GVP) SCSI コントローラの設定\fP
488 構文は以下の通り。
489
490 .in +4n
491 .nf
492 \fBgvp11=\fP\fIdma_transfer_bitmask\fP
493 .fi
494 .in
495 .TP 
496 \fBFuture Domain 製 TMC\-8xx, TMC\-950 の設定\fP
497 構文は以下の通り。
498
499 .in +4n
500 .nf
501 \fBtmc8xx=\fP\fImem_base,irq\fP
502 .fi
503 .in
504 .IP
505 \fImem_base\fP にはカードが使用するメモリマップ I/O の領域を指定する。
506 通常は次の値のどれかである: 0xc8000, 0xca000, 0xcc000, 0xce000, 0xdc000, 0xde000。
507 .TP 
508 \fBIN2000 の設定\fP
509 構文は以下の通り。
510
511 .in +4n
512 .nf
513 \fBin2000=\fP\fIS\fP
514 .fi
515 .in
516 .IP
517 S はコンマ区切りの文字列で、各項目は keyword[:value] 形式で指定する。 指定できるキーワードは以下の通り。 ioport:addr,
518 noreset, nosync:x, period:ns, disconnect:x, debug:x, proc:x。
519 これらのパラメータの機能についてはカーネルソースファイル \fIdrivers/scsi/in2000.c\fP を参照。
520 .TP 
521 \fBNCR5380 および NCR53C400 の設定\fP
522 この起動時引数は以下の書式で指定する。
523
524 .in +4n
525 .nf
526 \fBncr5380=\fP\fIiobase,irq,dma\fP
527 .fi
528 .in
529 .IP
530 または
531
532 .in +4n
533 .nf
534 \fBncr53c400=\fP\fIiobase,irq\fP
535 .fi
536 .in
537 .IP
538 カードが IRQ を使用しない場合は、 255 (0xff) を指定すれば無効にできる。 IRQ に 254 を指定すると自動検出する。 詳細は
539 Linux カーネルソース内の \fIDocumentation/scsi/g_NCR5380.txt\fP (古いカーネルの場合は
540 \fIdrivers/scsi/README.g_NCR5380\fP)  に書かれている。
541 .TP 
542 \fBNCR53C8xx の設定\fP
543 構文は以下の通り。
544
545 .in +4n
546 .nf
547 \fBncr53c8xx=\fP\fIS\fP
548 .fi
549 .in
550 .IP
551 S はコンマ区切りの文字列で、各項目は keyword[:value] 形式で指定する。 指定できるキーワードは以下の通り。 mpar
552 (master_parity), spar (scsi_parity), disc (disconnection), specf
553 (special_features), ultra (ultra_scsi), fsn (force_sync_nego), tags
554 (default_tags), sync (default_sync), verb (verbose), debug (debug), burst
555 (burst_max)。 これらのオプションの機能についてはカーネルソースファイル \fIdrivers/scsi/ncr53c8xx.c\fP
556 を参照すること。
557 .TP 
558 \fBNCR53c406a の設定\fP
559 構文は以下の通り。
560
561 .in +4n
562 .nf
563 \fBncr53c406a=\fP\fIiobase[,irq[,fastpio]]\fP
564 .fi
565 .in
566 .IP
567 割り込み無しで動作するモードには irq に 0 を指定する。 高速 PIO モードは fastpio に 1 を指定し、低速モードは 0 を指定する。
568 .TP 
569 \fBPro Audio Spectrum の設定\fP
570 PAS16 は NC5380 SCSI チップを使用しており、 最近のモデルはジャンパレスの設定をサポートしている。 起動時引数の書式は以下の通り。
571
572 .in +4n
573 .nf
574 \fBpas16=\fP\fIiobase,irq\fP
575 .fi
576 .in
577 .IP
578 唯一の違いとして、 IRQ に 255 を指定すれば割り込みを使用しないようドライバに指示できる (パフォーマンスは低下する)。 通常 iobase は
579 0x388 である。
580 .TP 
581 \fBSeagate 製 ST\-0x の設定\fP
582 カードが起動時に認識されない場合は以下のような指定が必要になるだろう。
583
584 .in +4n
585 .nf
586 \fBst0x=\fP\fImem_base,irq\fP
587 .fi
588 .in
589 .IP
590 \fImem_base\fP にはカードが使用するメモリマップ I/O の領域を指定する。
591 通常は次の値のどれかである: 0xc8000, 0xca000, 0xcc000, 0xce000, 0xdc000, 0xde000。
592 .TP 
593 \fBTrantor 製 T128 の設定\fP
594 このカードも NCR5380 チップを利用しており、 以下のオプションを受け付ける。
595
596 .in +4n
597 .nf
598 \fBt128=\fP\fImem_base,irq\fP
599 .fi
600 .in
601 .IP
602 有効な \fImem_base\fP の値は次の通りである: 0xcc000, 0xc8000, 0xdc000, 0xd8000。
603 .TP 
604 \fBUltraStor 製 14F/34F の設定\fP
605 検出対象にする I/O ポートのデフォルトのリストは以下のようにして変更できる。
606
607 .in +4n
608 .nf
609 \fBeata=\fP\fIiobase,iobase,...\fP\fB.\fP
610 .fi
611 .in
612 .TP 
613 \fBWD7000 の設定\fP
614 構文は以下の通り。
615
616 .in +4n
617 .nf
618 \fBwd7000=\fP\fIirq,dma,iobase\fP
619 .fi
620 .in
621 .TP 
622 \fBCommodore Amiga 製 A2091/590 SCSI コントローラの設定\fP
623 構文は以下の通り。
624
625 .in +4n
626 .nf
627 \fBwd33c93=\fP\fIS\fP
628 .fi
629 .in
630 .IP
631 S はコンマ区切りの文字列で、各項目は keyword[:value] 形式で指定する。 認識されるオプションは以下の通り。
632 nosync:bitmask, nodma:x, period:ns, disconnect:x, debug:x, clock:x, next。
633 詳細はカーネルソースファイル \fIdrivers/scsi/wd33c93.c\fP を参照。
634 .SS ハードディスク
635 .TP 
636 \fBIDE Disk/CD\-ROM ドライバのパラメータ\fP
637 IDE ドライバは、 ディスクのジオメトリ指定からバグのあるコントローラチップのサポートまで、 数多くのパラメータを受け付ける。 ドライブを特定するには
638 \&'hdX=' を使う。 ここで X には 'a' から 'h' の文字を指定する。
639
640 あるドライブに特有なものではないオプションは、hd= を前に付けて指定する。 ドライブ特有でないオプションに対してドライブ指定 ('hdX=')
641 を前置しても問題はない。 そのオプションは期待通りそのドライブに適用される。
642
643 \&'hd=' は、(a, ..., h) のシーケンスにおいて、 まだ指定されていない次のドライブを指すためにも使える。 これ以降では簡単のために
644 \&'hd=' を使って説明する。 さらに詳しい情報を得るには、Linux カーネルソース内の \fIDocumentation/ide.txt\fP
645 (古いカーネルの場合は \fIdrivers/block/README.ide\fP) を参照のこと。
646 .TP 
647 \&\fB'hd=cyls,heads,sects[,wpcom[,irq]]' オプション\fP
648 これらのオプションはディスクの物理的なジオメトリを指定するために使う。 最初の 3 つの値以降は省略できる。 シリンダ (cyls)、ヘッド
649 (heads)、セクタ (sects) の各値は fdisk で用いられるものと同じである。 書き込み補正 (wpcom) 値は IDE
650 ディスクでは無視される。 IRQ 値には、そのドライブが接続されているインターフェースが用いる IRQ を指定する
651 (本来の意味では「ドライブに特有」のパラメータではない)。
652 .TP 
653 \&\fB'hd=serialize' オプション\fP
654 デュアル IDE インターフェースである CMD\-640 チップには設計上の問題があって、 セカンダリインターフェース上のドライブと
655 プライマリインターフェース上のドライブを 同時に使用するとデータが破壊されることがある。 このオプションを使用すると、
656 ドライバは両方のインターフェースが 同時に使用されることが絶対にないようにする。
657 .TP 
658 \&\fB'hd=dtc2278' オプション\fP
659 このオプションは、DTC\-2278D IDE インターフェースが使われている ことをドライバに伝える。 するとドライバは、DTC 特有の機能 (2
660 番目のインターフェースと高速転送モード)  を使用可能にするよう試みる。
661 .TP 
662 \&\fB'hd=noprobe' オプション\fP
663 このドライブの自動検出をしない。 例えば
664
665 .in +4n
666 .nf
667 hdb=noprobe hdb=1166,7,17
668 .fi
669 .in
670 .IP
671 とすると自動検出が無効になる。 しかしドライブのジオメトリを指定しているので、 このドライブは正しいブロックデバイスとして登録され、使用可能になる。
672 .TP 
673 \&\fB'hd=nowerr' オプション\fP
674 ドライブによっては、書き込みエラー (\fBWRERR_STAT\fP)  ビットがクリアできなくなることがある。 このオプションを指定すると、
675 このような壊れたデバイスに対する回避機能が有効になる。
676 .TP 
677 \&\fB'hd=cdrom' オプション\fP
678 このオプションは、通常の IDE ハードディスクの代わりに、 ATAPI 互換の CDROM が続されていることを IDE ドライバに伝える。
679 CD\-ROM はたいてい自動的に認識されるが、 うまく行かない場合に試してみると良い。
680 .TP 
681 \fBスタンダード ST\-506 ディスクドライバのオプション ('hd=')\fP
682 スタンダードディスクドライバは IDE ドライバと同様のジオメトリ指定を引数にとることができる。 ただし受け付ける値はちょうど 3 つ (C/H/S)
683 に限られる。 それ以上の値やそれ以下の値を指定すると、ドライバは黙ってその指定を無視する。 また引数として受け入れられるのは 'hd='
684 の形式だけである。 つまり 'hda=' のような指定はここでは正しくない。 書式は次の通り。
685
686 .in +4n
687 .nf
688 hd=cyls,heads,sects
689 .fi
690 .in
691 .IP
692 2 台のディスクが接続されてい場合は、 2 番目のディスクに対しても上記のジオメトリが設定される。
693 .TP 
694 \fBXT ディスクドライバのオプション ('xd=')\fP
695 これらの古い 8 bit カード (125kB/s の転送速度しかない!)  を使わなければならない不幸な人のためのオプションである。
696 カードが認識されない場合は以下の書式で起動時引数を指定する必要があるだろう。
697
698 .in +4n
699 .nf
700 xd=type,irq,iobase,dma_chan
701 .fi
702 .in
703 .IP
704 .\" 1.1.50, 1.3.81, 1.3.99, 2.0.34, 2.1.67, 2.1.78, 2.1.127
705 type 値にはカードのメーカーを指定し、これは自動検知より優先される。 指定すべき type の値については、使っているカーネルのソースファイル
706 \fIdrivers/block/xd.c\fP を調べてほしい。type はリスト \fIxd_sigs\fP
707 のインデックスで、歴史と共に追加されたり削除されたりしてきた。 リストの途中での追加・削除も行われたので、 その場合はすべての type
708 番号が変更された。 今日 (Linux 2.5.0) における type は、 0=generic; 1=DTC 5150cx; 2,3=DTC
709 5150x; 4,5=Western Digital; 6,7,8=Seagate; 9=Omti; 10=XEBEC である。 ここではいくつかの
710 type に同じ指定が与えられているが、 それらは等価である。
711
712 xd_setup() 関数は引数をチェックせず、 4 つの値がすべて指定されることを想定している。 引数を省略してはならない。 例として、BIOS
713 が無効にされた (あるいは削除された)  WD1002 コントローラの場合を示す (パラメータには XT
714 コントローラの「デフォルト」の値を使っている)。
715
716 .in +4n
717 .nf
718 xd=2,5,0x320,3
719 .fi
720 .in
721 .TP 
722 \fBSyquest 製 EZ* リムーバブルディスク\fP
723 構文は以下の通り。
724
725 .in +4n
726 .nf
727 \fBez=\fP\fIiobase[,irq[,rep[,nybble]]]\fP
728 .fi
729 .in
730 .SS "IBM MCA バス上のデバイス"
731 カーネルソースファイル \fIDocumentation/mca.txt\fP も参照。
732 .TP 
733 \fBPS/2 ESDI ハードディスク\fP
734 起動時に所望のジオメトリを指定できる。
735
736 .in +4n
737 .nf
738 \fBed=\fP\fIcyls,heads,sectors.\fP
739 .fi
740 .in
741 .IP
742 ThinkPad\-720 を使用する場合は以下のオプションを追加すること。
743
744 .in +4n
745 .nf
746 \fBtp720=1\fP.
747 .fi
748 .in
749 .TP 
750 \fBIBM Microchannel SCSI サブシステムの設定\fP
751 構文は以下の通り。
752
753 .in +4n
754 .nf
755 \fBibmmcascsi=\fP\fIN\fP
756 .fi
757 .in
758 .IP
759 N はサブシステムの \fIpun\fP (SCSI ID) を表す。
760 .TP 
761 \fBAztech インターフェース\fP
762 このタイプのカードの構文は以下の通り。
763
764 .in +4n
765 .nf
766 aztcd=iobase[,magic_number]
767 .fi
768 .in
769 .IP
770 magic_number に 0x79 をセットすると、 ドライバはファームウェアのバージョンが分からない場合でも、 とにかく実行を試みる。
771 その他の値はすべて無視される。
772 .TP 
773 \fBパラレルポート CD\-ROM ドライブ\fP
774 構文は以下の通り。
775
776 .in +4n
777 .nf
778 pcd.driveN=prt,pro,uni,mod,slv,dly
779 pcd.nice=nice
780 .fi
781 .in
782 .IP
783 ここで 'port' はベースアドレス、'pro' はプロトコル番号、'uni' はユニットセレクタ (チェインデバイス用)、'mod' はモード
784 (あるいは自動的に最適のものを選ばせるには \-1)、'slv' はスレーブにしたい場合に 1、'dly'
785 はポートアクセスを遅くしたい場合に小さな整数を与える。'nice' パラメータは、 ドライバのアイドル CPU 時間の使い方を制御する。
786 ただし速度はある程度低下する。
787 .TP 
788 \fBSony 製 CDU\-31A と CDU\-33A のインターフェース\fP
789 この CD\-ROM インターフェースは、 Pro Audio Spectrum サウンドカードの一部や
790 ソニーが供給するインターフェースカードで使われている。 構文は以下の通り。
791
792 .in +4n
793 .nf
794 cdu31a=iobase,[irq[,is_pas_card]]
795 .fi
796 .in
797 .IP
798 IRQ に 0 を指定すると、 ハードウェア割り込みがサポートされていないことをドライバに伝える (PAS カードにはそのようなものがある)。
799 使用するカードが割り込みをサポートしているなら、 ドライバによる CPU の負荷を減らすためにも割り込みを使用すべきである。
800
801 \fIis_pas_card\fP には、Pro Audio Spectrum カードを使用しているときには 'PAS' を指定し、
802 そうでないときにはなにも指定しない。
803 .TP 
804 \fBSony 製 CDU\-535 インターフェース\fP
805 この CD\-ROM インターフェースの構文は以下の通り。
806
807 .in +4n
808 .nf
809 sonycd535=iobase[,irq]
810 .fi
811 .in
812 .IP
813 IRQ の値だけを指定したい場合には、 iobase 値を 0 とすれば単なる穴埋めと解釈される。
814 .TP 
815 \fBGoldStar インターフェース\fP
816 この CD\-ROM インターフェースの構文は以下の通り。
817
818 .in +4n
819 .nf
820 gscd=iobase
821 .fi
822 .in
823 .TP 
824 \fBISP16 CD\-ROM インターフェース\fP
825 構文は以下の通り。
826
827 .in +4n
828 .nf
829 isp16=[iobase[,irq[,dma[,type]]]]
830 .fi
831 .in
832 .IP
833 (整数値 3 つと文字列 1 つの形式) type に 'noisp16' を指定すると、 インターフェースの設定は行なわれない。 type
834 にはこの他にも 'Sanyo', 'Sony', 'Panasonic', 'Mitsumi' が指定できる。
835 .TP 
836 \fBMitsumi 標準インターフェース\fP
837 この CD\-ROM インターフェースの構文は以下の通り。
838
839 .in +4n
840 .nf
841 mcd=iobase,[irq[,wait_value]]
842 .fi
843 .in
844 .IP
845 \fIwait_value\fP はドライブに問題がある場合に、 ドライバ内部のタイムアウトの指定に用いる。 コンパイル時の #define
846 によって実装されるかされないかが決まる。 Mitsumi FX400 は IDE/ATAPI CD\-ROM プレイヤーであり、 この mcd
847 ドライバは使用しない。
848 .TP 
849 \fBMitsumi XA/マルチセッションインターフェース\fP
850 これは上記と同じハードウェアだが、拡張機能がある。 構文は以下の通り。
851
852 .in +4n
853 .nf
854 mcdx=iobase[,irq]
855 .fi
856 .in
857 .TP 
858 \fBOptics ストレージインターフェース\fP
859 このタイプのカードの構文は以下の通り。
860
861 .in +4n
862 .nf
863 optcd=iobase
864 .fi
865 .in
866 .TP 
867 \fBPhillips CM206 インターフェース\fP
868 このタイプのカードの構文は以下の通り。
869
870 .in +4n
871 .nf
872 cm206=[iobase][,irq]
873 .fi
874 .in
875 .IP
876 ドライバは IRQ 値として 3 から 11 まで、 I/O ポートアドレスの値として 0x300 から 0x370 を想定している。
877 いずれか一方、あるいは両方を指定できる。順番も問わない。 \&'cm206=auto' とすることにより自動検出もできる。
878 .TP 
879 \fBSanyo インターフェース\fP
880 このタイプのカードの構文は以下の通り。
881
882 .in +4n
883 .nf
884 sjcd=iobase[,irq[,dma_channel]]
885 .fi
886 .in
887 .TP 
888 \fBSoundBlaster Pro インターフェース\fP
889 このタイプのカードの構文は以下の通り。
890
891 .in +4n
892 .nf
893 sbpcd=iobase,type
894 .fi
895 .in
896 .IP
897 type 値には 'SoundBlaster', 'LaserMate', 'SPEA' のうちひとつを指定できる (大文字小文字が区別される)。
898 iobase は CD\-ROM インターフェースの値である。 カードのサウンド部の値と間違えないこと。
899 .SS イーサネットデバイス
900 ドライバが異なると用いるパラメータも異なるが、 すべてのドライバは、少なくとも割り込み番号 (irq)、 I/O ポートのベースアドレス
901 (iobase)、名前 (name) を持つ。 最も一般的な形式は以下の通り。
902
903 .in +4n
904 .nf
905 ether=irq,iobase[,param_1[,...param_8]],name
906 .fi
907 .in
908
909 最初の数字でない値は名前として使用される。 param_n の値はカード (ドライバ) ごとに異なる意味を持つ。
910 よくある目的は、共有メモリアドレスの指定、インターフェースの選択、 DMA チャネルなどである。
911
912 このパラメータの最もよくある利用法は、 2 番目の Ethernet カードを強制的に検出させる場合である (デフォルトでは 1 枚しか検出しない)。
913 これは簡単で、次のようにすればよい。
914
915 .in +4n
916 .nf
917 ether=0,0,eth1
918 .fi
919 .in
920
921 この例で IRQ と I/O ベースアドレスに 0 を指定しているのは、 ドライバに自動検出をするよう伝えているのである。
922
923 Ethernet\-HOWTO では、複数のカードを使うやり方や、 カードやドライバに特有の param_n 値の意味について、
924 ずっと詳細に解説されている。 興味を持った読者は、この文書にあたり、 自分のカードに関して書かれているセクションを参照すると良い。
925 .SS フロッピーディスクドライバ
926 フロッピードライバのオプションは多数あり、 Linux カーネルソース内の \fIDocumentation/floppy.txt\fP
927 (古いカーネルの場合は \fIdrivers/block/README.fd\fP)  にすべて記載されている。
928 以下の情報はこのファイルからとったものである。
929 .TP 
930 \fBfloppy=mask,allowed_drive_mask\fP
931 使ってよいドライブにかけるビットマスクを設定する。 デフォルトでは、 ユニット 0 と 1 のフロッピーコントローラだけが許可されている。
932 これは、標準でないハードウェア (例えば ASUS の PCIマザーボードなど)  でユニット 2 や 3 にアクセスすると、
933 キーボードがおかしくなってしまうからである。 cmos オプション (後述) の導入によって、 このオプションはあまり使われなくなった。
934 .TP 
935 \fBfloppy=all_drives\fP
936 許可するドライブを示すビットマスクを、「すべてのドライブ」にする。 1 つのフロッピーコントローラに 2 台以上のドライブを接続する場合に用いる。
937 .TP 
938 \fBfloppy=asus_pci\fP
939 ユニット 0 と 1 のみを許可するようビットマスクを設定する。 (デフォルト)。
940 .TP 
941 \fBfloppy=daring\fP
942 正しく振る舞うフロッピーコントローラを使っていることをドライバに伝える。 このオプションを使うと動作はより効率的かつスムースになるが、
943 コントローラによっては動作に失敗することがある。 これを指定するとある種の動作が高速になる。
944 .TP 
945 \fBfloppy=0,daring\fP
946 注意して扱わなければならない フロッピーコントローラであることをドライバに伝える。
947 .TP 
948 \fBfloppy=one_fdc\fP
949 フロッピーコントローラがひとつしかないことをドライバに伝える (デフォルト)。
950 .TP 
951 \fBfloppy=two_fdc\fP または \fBfloppy=address,two_fdc\fP
952 フロッピーコントローラがふたつあることをドライバに伝える。 2 番目のコントローラの I/O アドレスは address で指定する。 address
953 が指定されない場合は 0x370 が使われる。
954 .TP 
955 \fBfloppy=thinkpad\fP
956 Thinkpad を使っていることをフロッピードライバに伝える。
957 Thinkpad はディスク取出の検出信号を反転して使っている。
958 .TP 
959 \fBfloppy=0,thinkpad\fP
960 Thinkpad を使っていないことをドライバに伝える。
961 .TP 
962 \fBfloppy=drive,type,cmos\fP
963 ドライブの cmos タイプを type に設定する。 さらにビットマスクを変更し、このドライブの使用を許可する。
964 この指定が便利なのは、フロッピードライブが 2 台以上ある場合 (物理 cmos に記述できるのは 2 台まで) や、 BIOS が標準的でない
965 CMOS タイプを使っている場合である。 最初の 2 台のドライブの CMOS に 0 を指定する (デフォルト) と、
966 フロッピードライバはこれらのドライブの物理 cmos を参照する。
967 .TP 
968 \fBfloppy=unexpected_interrupts\fP
969 予期しない割り込みを受けた時に警告メッセージを表示する (デフォルト)。
970 .TP 
971 \fBfloppy=no_unexpected_interrupts\fP または \fBfloppy=L40SX\fP
972 予期しない割り込みを受けた時でも警告メッセージを表示しない。 これは IBM L40SX ラップトップコンピュータを
973 特定のビデオモードで使用する時に必要となる。 (ビデオとフロッピーとの間で何らかの相互作用があるようだ。
974 予期しない割り込みは性能だけに影響し、無視しても安全である。)
975 .SS サウンドドライバ
976 サウンドドライバも起動時引数を受け付け、 コンパイル時に指定された値を変更できる。 これはやや面倒なため、あまりお薦めできない。 詳細は、Linux
977 カーネルソース内の \fIDocumentation/sound/oss/README.OSS\fP (古いカーネルの場合は
978 \fIdrivers/sound/Readme.linux\fP)  に記載されている。 引数の形式は以下の通り。
979
980 .in +4n
981 .nf
982 sound=device1[,device2[,device3...[,device10]]]
983 .fi
984 .in
985 .IP
986 各 deviceN はそれぞれ 0xTaaaId という形式で指定する。 各バイトの意味は以下の通り。
987
988 T \- デバイスのタイプ: 1=FM, 2=SB, 3=PAS, 4=GUS, 5=MPU401, 6=SB16, 7=SB16\-MPU401
989
990 aaa \- I/O ポートアドレス (16進値)
991
992 I \- 割り込み番号 (16 進値。例: 10=a, 11=b, ...)
993
994 d \- DMA チャネル
995
996 上記の通り、かなり扱いにくい形式となっており、 コンパイル時に自分にあった値を指定する方が良いだろう。 なお起動時引数として 'sound=0'
997 を指定すると、 サウンドドライバを完全に無効にする。
998 .SS "ISDN ドライバ"
999 .TP 
1000 \fBICN ISDN ドライバ\fP
1001 構文は以下の通り。
1002
1003 .in +4n
1004 .nf
1005 icn=iobase,membase,icn_id1,icn_id2
1006 .fi
1007 .in
1008 .IP
1009 icn_id1,icn_id2 はカードを識別するための 2 つの文字列である。 カーネルメッセージで用いられる。
1010 .TP 
1011 \fBPCBIT ISDN ドライバ\fP
1012 構文は以下の通り。
1013
1014 .in +4n
1015 .nf
1016 pcbit=membase1,irq1[,membase2,irq2]
1017 .fi
1018 .in
1019 .IP
1020 membaseN は N 番目のカードの共有メモリのベースアドレスであり、 irqN は N 番目のカードの割り込み設定である。 無指定時には IRQ
1021 = 5, membase = 0xD0000 となる。
1022 .TP 
1023 \fBTeles ISDN ドライバ\fP
1024 構文は以下の通り。
1025
1026 .in +4n
1027 .nf
1028 teles=iobase,irq,membase,protocol,teles_id
1029 .fi
1030 .in
1031 .IP
1032 iobase はカードの I/O ポートアドレス、 membase はカードの共有メモリのベースアドレス、 そして irq
1033 はカードが使用する割り込みチャネルである。 teles_id はアスキー文字列による識別文字列である (他と重ならないようにする)。
1034 .SS シリアルポートドライバ
1035 .TP 
1036 \fBRISCom/8 マルチポートシリアルドライバ ('riscom8=')\fP
1037 構文は以下の通り。
1038
1039 .in +4n
1040 .nf
1041 riscom=iobase1[,iobase2[,iobase3[,iobase4]]]
1042 .fi
1043 .in
1044 .IP
1045 詳細はカーネルソースファイル \fIDocumentation/riscom8.txt\fP を参照のこと。
1046 .TP 
1047 \fBDigiBoard ドライバ ('digi=')\fP
1048 このオプションを使う場合は、6 個のパラメータをきっちり指定しなければならない。
1049 構文は以下の通り。
1050
1051 .in +4n
1052 .nf
1053 digi=status,type,altpin,numports,iobase,membase
1054 .fi
1055 .in
1056 .IP
1057 パラメータは整数値か文字列で与える。 文字列で指定する場合は、 iobase と membase は 16 進値でなければならない。
1058 整数値で指定する場合はパラメータの個数は少なくても良く、順に: status このカードの動作を指定する (Enable(1) または
1059 Disable(0)), type カードのタイプ (PC/Xi(0), PC/Xe(1), PC/Xeve(2), PC/Xem(3)),
1060 altpin ピン配置を反転させる (Enable(1) or Disable(0)), numports カードのポート番号, iobase
1061 このカードの I/O ポート (文字列指定の場合は 16 進表記), membase メモリウィンドウのベースアドレス (文字列指定の場合は 16
1062 進表記)。 したがって以下のふたつの起動時引数は同じ意味を持つ。
1063
1064 .in +4n
1065 .nf
1066 digi=E,PC/Xi,D,16,200,D0000
1067 digi=1,0,0,16,0x200,851968
1068 .fi
1069 .in
1070 .IP
1071 詳細はカーネルソースファイル \fIDocumentation/digiboard.txt\fP を参照。
1072 .TP 
1073 \fBBaycom シリアル・パラレル ラジオモデム\fP
1074 構文は以下の通り。
1075
1076 .in +4n
1077 .nf
1078 baycom=iobase,irq,modem
1079 .fi
1080 .in
1081 .IP
1082 ちょうど 3 つのパラメータを与える。 複数のカードがある場合は、'baycom=' コマンドも複数記述する。 modem パラメータは文字列で、
1083 ser12, ser12*, par96, par96* の中からひとつを選ぶ。 * をつけるとソフトウェア DCD を使用する。 モデムの種類に応じて
1084 ser12 か par96 かを選択する。 詳細は Linux カーネルソース内の
1085 \fIDocumentation/networking/baycom.txt\fP (古いカーネルの場合は
1086 \fIdrivers/net/README.baycom\fP)  を参照。
1087 .TP 
1088 \fBサウンドカードラジオモデムドライバ\fP
1089 構文は以下の通り。
1090
1091 .in +4n
1092 .nf
1093 soundmodem=iobase,irq,dma[,dma2[,serio[,pario]]],0,mode
1094 .fi
1095 .in
1096 .IP
1097 最後のパラメータを除くすべてのパラメータは整数である。 ダミーの 0 があるのは、設定プログラムのバグのせいである。 mode
1098 パラメータは文字列で、hw:modem という書式で指定する。 hw は sbc, wss, wssfdx のうちひとつ、 modem は
1099 afsk1200, fsk9600 のどちらかを選択して記述する。
1100 .SS ラインプリンタドライバ
1101 .TP 
1102 \&\fB'lp='\fP
1103 .br
1104 構文は以下の通り。
1105
1106 .in +4n
1107 .nf
1108 lp=0
1109 lp=auto
1110 lp=reset
1111 lp=port[,port...]
1112 .fi
1113 .in
1114 .IP
1115 プリンタドライバには、どのポートを使うか、 どのポートを使ってはいけないかを伝えることができる。 後者は、
1116 利用可能なあらゆるパラレルポートをプリンタドライバが要求しないようにして、 他のドライバ (PLIP や PPA など) から
1117 それらを使えるようにしたい場合に便利である。
1118
1119 引数の書式は、複数のポート名である。 例えば lp=none,parport0 とすると、 最初のパラレルポートを lp1 として使い、 lp0
1120 は無効にする。プリンタードライバを完全に無効にするには lp=0 とすればよい。
1121 .TP 
1122 \fBWDT500/501 ドライバ\fP
1123 構文は以下の通り。
1124
1125 .in +4n
1126 .nf
1127 wdt=io,irq
1128 .fi
1129 .in
1130 .SS マウスドライバ
1131 .TP 
1132 \&\fB'bmouse=irq'\fP
1133 バスマウスドライバはパラメータをひとつだけとり、 ハードウェア IRQ を指定できる。
1134 .TP 
1135 \&\fB'msmouse=irq'\fP
1136 msmouse ドライバでもこの事情はまったく同じである。
1137 .TP 
1138 \fBATARI マウスの設定\fP
1139 構文は以下の通り。
1140
1141 .in +4n
1142 .nf
1143 atamouse=threshold[,y\-threshold]
1144 .fi
1145 .in
1146 .IP
1147 パラメータがひとつだけ与えられた場合には、 x\-threshold と y\-threshold を両方に用いられる。 ふたつ与えられた場合は、最初の値が
1148 x\-threshold として用いられ、 2 番目の値が y\-threshold として用いられる。 値は 1 から 20 までの数値で指定する。
1149 デフォルトは 2。
1150 .SS ビデオ機器
1151 .TP 
1152 \&\fB'no\-scroll'\fP
1153 .\" .SH AUTHORS
1154 .\" Linus Torvalds (and many others)
1155 このオプションは、コンソールドライバに、 ハードウェアスクロールを用いないよう伝える (ここで言うハードウェアスクロールとは、
1156 ビデオメモリ上のデータを移動させることによって スクリーン表示領域をスクロールさせることを指す)。 特定の点字マシンではこの指定が必要となる。
1157 .SH 関連項目
1158 \fBlilo.conf\fP(5), \fBklogd\fP(8), \fBlilo\fP(8), \fBmount\fP(8)
1159
1160 このマニュアルページの大部分は Paul Gortmaker による Boot Parameter HOWTO (version 1.0.1)
1161 を基にしている。 この (あるいは最新の) HOWTO をあたれば、 さらに多くの情報が入手できるだろう。 最新の情報源はカーネルソースファイル
1162 \fIDocumentation/kernel\-parameters.txt\fP である。
1163 .SH この文書について
1164 この man ページは Linux \fIman\-pages\fP プロジェクトのリリース 3.53 の一部
1165 である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は
1166 http://www.kernel.org/doc/man\-pages/ に書かれている。