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24 .\" %%%LICENSE_END
25 .\"
26 .\"*******************************************************************
27 .\"
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29 .\"
30 .\"*******************************************************************
31 .\"
32 .\" Japanese Version Copyright (c) 2006 Akihiro MOTOKI all rights reserved.
33 .\" Translated 2006-08-12, Akihiro MOTOKI <amotoki@dd.iij4u.or.jp>, LDP v2.39
34 .\" Updated 2008-08-07, Akihiro MOTOKI, LDP v3.05
35 .\" Updated 2008-08-20, Akihiro MOTOKI, LDP v3.07
36 .\"
37 .TH STANDARDS 7 2012\-08\-05 Linux "Linux Programmer's Manual"
38 .SH 名前
39 standards \- C と UNIX の標準規格
40 .SH 説明
41 多くのマニュアルページの「準拠 (CONFORMING TO)」の章は、 そのページに記載されたインタフェースが準拠する
42 各種の標準規格を示すものである。 以下にこれらの標準規格の簡単な説明を記す。
43 .TP 
44 \fBV7\fP
45 ベル研究所による元祖 UNIX である Version 7。
46 .TP 
47 \fB4.2BSD\fP
48 カリフォルニア大バークレー校 (the University of California at Berkeley)  によりリリースされた
49 \fIBerkeley Software Distribution\fP リリース 4.2 によって規定された、実装に基づく標準規格
50 (implementation standard)。 バークレーによるリリースの中で TCP/IP スタックとソケット API
51 を含む最初のリリースである。
52
53 これより前のBSD の主なリリースとしては \fI3BSD\fP (1980), \fI4BSD\fP (1980), \fI4.1BSD\fP (1981) がある。
54 .TP 
55 \fB4.3BSD\fP
56 1986 年にリリースされた 4.2BSD の後継。
57 .TP 
58 \fB4.4BSD\fP
59 1993 年にリリースされた 4.3BSD の後継。 バークレー (Berkeley) による最後の大きなリリースである。
60 .TP 
61 \fBSystem V\fP
62 AT&T の商用 System V (5) リリースの 1983 年版により規定された 実装に基づく標準規格。 一つ前の AT&T の大きなリリースは
63 1981 年にリリースされた \fISystem III\fP である。
64 .TP 
65 \fBSystem V release 2 (SVr2)\fP
66 System V の二番目のリリースであり、1985 年に作成された。 SVr2 は正式には 1985 年に発行された \fISystem V
67 Interface Definition version 1\fP (\fISVID 1\fP)  に記載されている。
68 .TP 
69 \fBSystem V release 3 (SVr3)\fP
70 SVr2 の後継。1986 年にリリースされた。 このリリースは正式には \fISystem V Interface Definition version
71 2\fP (\fISVID 2\fP)  に記載されている。
72 .TP 
73 \fBSystem V release 4 (SVr4)\fP
74 SVr3 の後継。1989 年にリリースされた。 このバージョンの System V については "Programmer's Reference
75 Manual: Operating System API (Intel processors)" (Prentice\-Hall 1992, ISBN
76 0\-13\-951294\-2) に記載されている。 このリリースは正式には \fISystem V Interface Definition version
77 3\fP (\fISVID 3\fP)  に記載されており、System V の最終的なリリースと考えられている。
78 .TP 
79 \fBSVID 4\fP
80 System V Interface Definition version 4。 1995 年に発行された。 インターネットでは
81 .UR http://www.sco.com\:/developers\:/devspecs/
82 .UE
83 で入手できる。
84 .TP 
85 \fBC89\fP
86 最初の C 言語の標準規格である。 ANSI (American National Standards Institute) により 1989
87 年の承認された (\fIX3.159\-1989\fP)。 時には、この規格は \fIANSI C\fP とも呼ばれるが、 C99 も ANSI
88 標準なので、この言い方はあいまいである。 この規格は 1990 年に ISO (International Standards
89 Organization) による 承認も受けており (\fIISO/IEC 9899:1990\fP)、 そのため \fIISO C90\fP
90 として参照されることもたまにある。
91 .TP 
92 \fBC99\fP
93 C 言語の標準規格のこの改訂版は ISO により 1999 年に承認された (\fIISO/IEC 9899:1999\fP)。
94 .UR http://www.open\-std.org\:/jtc1\:/sc22\:/wg14\:/www\:/standards
95 .UE
96 からオンラインで入手可能である。
97 .TP 
98 \fBPOSIX.1\-1990\fP
99 "Portable Operating System Interface for Computing Environments".  1990 年に
100 ISO により承認された、IEEE 1003.1\-1990 part 1 (\fIISO/IEC 9945\-1:1990\fP)。 "POSIX"
101 という言葉は Richard Stallman が初めて作った。
102 .TP 
103 \fBPOSIX.2\fP
104 IEEE Std 1003.2\-1992.  コマンドとユーティリティについて説明が書かれており、 1993 年に ISO により承認された
105 (\fIISO/IEC 9945\-2:1993\fP)。
106 .TP 
107 \fBPOSIX.1b\fP (以前は \fIPOSIX.4\fP とも言われた)
108 IEEE Std 1003.1b\-1993.  移植可能なオペレーティングシステムのためのリアルタイム機能について 記載されており、 1996 年の
109 ISO により承認された (\fIISO/IEC 9945\-1:1996\fP)。
110 .TP 
111 \fBPOSIX.1c\fP
112 IEEE Std 1003.1c\-1995.  POSIX スレッドインタフェースについて記載している。
113 .TP 
114 \fBPOSIX.1d\fP
115 IEEE Std 1003.1c\-1999.  追加のリアルタイム拡張について記載している。
116 .TP 
117 \fBPOSIX.1g\fP
118 IEEE Std 1003.1g\-2000.  (ソケットを含めた) ネットワーク API について記載している。
119 .TP 
120 \fBPOSIX.1j\fP
121 IEEE Std 1003.1j\-2000.  高度なリアルタイム拡張について記載している。
122 .TP 
123 \fBPOSIX.1\-1996\fP
124 POSIX.1 の 1996 年の改訂版。 POSIX.1b と POSIX.1c を取り込んでいる。
125 .TP 
126 \fBXPG3\fP
127 1989 年リリースの、マルチベンダによる業界団体である X/Open 社による \fIX/Open Portability Guide\fP
128 の最初の大きなリリースである。 この指針は POSIX 標準規格に基づいている。
129 .TP 
130 \fBXPG4\fP
131 1992 年にリリースされた、X/Open Portability Guide (移植性に関する指針)  の改訂版。
132 .TP 
133 \fBXPG4v2\fP
134 XPG4 の 1994年改訂版。 \fISpec 1170\fP とも呼ばれる。 1170 とはこの標準規格が定義しているインタフェースの数を表すものである。
135 .TP 
136 \fBSUS (SUSv1)\fP
137 Single UNIX Specification.  この規格は、XPG4v2 やその他の X/Open による標準規格 (X/Open Curses
138 Issue 4 version 2, X/Open Networking Service (XNS) Issue 4)  を再構成したものである。
139 この規格に準拠するシステムは \fIUNIX 95\fP を名乗ることができる。
140 .TP 
141 \fBSUSv2\fP
142 Single UNIX Specification version 2.  \fIXPG5\fP と呼ばれることもある。 この規格は 1997 年に登場した。
143 この規格に準拠するシステムは \fIUNIX 98\fP を名乗ることができる。
144 .UR http://www.UNIX\-systems.org\:/version2/
145 .UE
146 も参照のこと。
147 .TP 
148 \fBPOSIX.1\-2001, SUSv3\fP
149 これは POSIX.1, POSIX.2, SUS の 2001年の改訂版である。 また、POSIX.1, POSIX.2, SUS
150 を一つの文書に統合したものである。 この統合は Austin Group (
151 .UR http://www.opengroup.org\:/austin/
152 .UE )
153 の後援の元で行われた。 インターネットでは
154 .UR http://www.unix\-systems.org\:/version3/
155 .UE
156 で入手できる。
157 また、この規格に書かれているインタフェースについては Linux のマニュアルページ・パッケージの 1p, 3p セクションでも 参照できる
158 (例えば、"man 3p open")。
159
160 この規格では、 \fIPOSIX Conformance (POSIX 準拠)\fP と \fIXSI Conformance (XSI 準拠)\fP
161 の二段階の適合性を定義している。 \fIPOSIX 準拠\fP は準拠するシステムに必要とされるインタフェースの基本セットであり、 \fIXSI 準拠)\fP では
162 "XSI 拡張" という追加のインタフェース群が義務付けられている (POSIX 準拠では XSI 拡張の実装は任意 (optional)
163 となっている)。 XSI 準拠のシステムは \fIUNIX 03\fP を名乗ることができる (XSI 準拠の内容が \fISingle UNIX
164 Specification version 3\fP (\fISUSv3\fP)  である)。
165
166 POSIX.1\-2001 文書は 4つの部分に分けることができる:
167
168 \fBXBD\fP: 定義、用語と概念、ヘッダファイルの仕様。
169
170 \fBXSH\fP: 関数の仕様 (関数とは、実際の実装でのシステムコールと ライブラリ関数のことである)。
171
172 \fBXCU\fP: コマンドとユーティリティの仕様 (以前、 POSIX.2 に記載されていた内容)。
173
174 \fBXRAT\fP: 参考情報と規格のそれ以外の部分
175
176 POSIX.1\-2001 は C99 と整合がとられており、 C99 で標準化されたライブラリ関数は POSIX.1\-2001 でも 標準化されている。
177
178 元の 2001 年版の標準に対する Technical Corrigenda (正誤表; 細かな修正と改良) が二つ行われている: 2003 年の
179 TC1 (\fIPOSIX.1\-2003\fP と呼ばれる) と 2004 年の TC2 (\fIPOSIX.1\-2004\fP と呼ばれる) である。
180 .TP 
181 \fBPOSIX.1\-2008, SUSv4\fP
182 POSIX.1/SUS の次の改訂版に関する作業は 2008 年に完了し承認された。
183
184 この改訂版での変更は POSIX.1\-2001/SUSv3 で行われた変更ほど大きくないが、
185 多くの新しいインターフェイスが追加され、既存の仕様に関しても 種々の詳細が変更されている。 POSIX.1\-2001 では任意 (optional)
186 とされていたインターフェイスの多くが 2008 年版の標準では必須 (mandatory) になる。 POSIX.1\-2001
187 に存在するインターフェイスのいくつかは、 POSIX.1\-2008 では廃止予定の印が付けられたり、 標準から完全に削除されたりしている。
188
189 改訂された標準は POSIX.1\-2001 と同じく 4 つの部分に分けられ、 前回と同様に二段階の適合性を定義している。 基本セットである
190 \fIPOSIX Conformance (POSIX 準拠)\fP と、 基本仕様のインターフェイスに加えて追加のインターフェイス群が 義務付けられている
191 \fIXSI Conformance (XSI 準拠)\fP の二つである。
192
193 一般には、マニュアルページの「準拠」の章のリストに POSIX.1\-2001 が あれば、他に注意書きがなければ、そのインターフェイスは
194 POSIX.1\-2008 にも準拠していると考えてよい。
195
196 詳しい情報は Austin Group のウェブサイト
197 .UR http://www.opengroup.org\:/austin/
198 .UE
199 に載っている。
200 .SH 関連項目
201 \fBfeature_test_macros\fP(7), \fBlibc\fP(7), \fBposixoptions\fP(7)
202 .SH この文書について
203 この man ページは Linux \fIman\-pages\fP プロジェクトのリリース 3.53 の一部
204 である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は
205 http://www.kernel.org/doc/man\-pages/ に書かれている。