OSDN Git Service

(split) LDP: Addresses fuzzy strings in 3.53
[linuxjm/LDP_man-pages.git] / draft / man8 / ld.so.8
1 .\" %%%LICENSE_START(PUBLIC_DOMAIN)
2 .\" This is in the public domain
3 .\" %%%LICENSE_END
4 .\"
5 .\"*******************************************************************
6 .\"
7 .\" This file was generated with po4a. Translate the source file.
8 .\"
9 .\"*******************************************************************
10 .TH LD.SO 8 2013\-07\-15 GNU "Linux Programmer's Manual"
11 .SH 名前
12 ld.so, ld\-linux.so* \- 動的なリンカ/ローダ
13 .SH 書式
14 動的リンカは、動的にリンクされたプログラムやライブラリの実行によって 間接的に実行することができる (ELF
15 の場合、動的リンカにコマンドラインオプションを渡すことはできず、 プログラムの \fB.interp\fP セクションに入っている動的リンカが実行される)。
16 また以下のように直接実行することもできる
17 .P
18 \fI/lib/ld\-linux.so.*\fP [OPTIONS] [PROGRAM [ARGUMENTS]]
19 .SH 説明
20 プログラム \fBld.so\fP と \fBld\-linux.so*\fP はプログラムに必要な共有ライブラリを見つけてロードし、
21 プログラムの実行を準備してから起動させる。
22 .LP
23 Linux のバイナリは、コンパイルの時に \fBld\fP(1)  に対して \fB\-static\fP オプションが指定されていない限り、動的リンク
24 (実行時リンク) が必要となる。
25 .LP
26 プログラム \fBld.so\fP は a.out バイナリを扱う。 これはずっと昔に使われていたフォーマットである。 \fBld\-linux.so*\fP
27 (libc5 では \fI/lib/ld\-linux.so.1\fP, glibc2 では \fI/lib/ld\-linux.so.2\fP)  は ELF
28 バイナリを扱う。 このフォーマットは多くの人が最近何年も使っている。 それ以外の点では両方とも同じように動作し、 同じサポートファイルとプログラム
29 \fBldd\fP(1), \fBldconfig\fP(8), \fI/etc/ld.so.conf\fP を使用する。
30 .LP
31 ライブラリの依存関係を解決する際、動的リンカは、最初に、依存関係の各文字列がスラッシュを含んでいるかをチェックする
32 (この状況になるのは、リンク時にスラッシュを含むライブラリのパス名が指定された場合である)。スラッシュが見つかった場合、その依存関係の文字列はパス名
33 (相対パス、絶対パスのどちらも可) として解釈され、そのパス名を使ってそのライブラリはロードされる。
34 .LP
35 ライブラリの依存関係にスラッシュが含まれない場合、以下の順序で検索される。
36 .IP o 3
37 (ELF のみ)  バイナリの動的セクション属性 DT_RPATH が存在し、 DT_RUNPATH 属性が存在しない場合は、 DT_RPATH
38 で指定されたディレクトリを使用する。 DT_RPATH の使用は推奨されない。
39 .IP o
40 環境変数 \fBLD_LIBRARY_PATH\fP を用いる。 ただし実行ファイルが set\-user\-ID/set\-group\-ID バイナリの場合、
41 これは無視される。
42 .IP o
43 (ELF のみ)  バイナリの動的セクション属性 DT_RUNPATH が存在すれば、 DT_RUNPATH で指定されたディレクトリを使用する。
44 .IP o
45 キャッシュファイル \fI/etc/ld.so.cache\fP を探す。このファイルは、 (ld.so.conf で追加指定されたものも含めた)
46 ライブラリ検索パスから見つかったライブラリファイルの情報を集めたものである。ただし、バイナリがリンカオプション \fB\-z nodeflib\fP
47 でリンクされている場合は、デフォルトのライブラリパスにある ライブラリはスキップされる。ハードウェア機能ディレクトリ (下記参照)
48 にインストールされたライブラリは、他のライブラリよりも優先される。
49 .IP o
50 デフォルトパスである \fI/lib\fP、 次いで \fI/usr/lib\fP を用いる。 バイナリがリンカオプション \fB\-z nodeflib\fP
51 でリンクされている場合、このステップはスキップされる。
52 .SS "rpath トークンの展開"
53 .PP
54 \fBld.so\fP では rpath 指定 (DT_RPATH や DT_RUNPATH) 中にいくつかの特定の文字列を使うことができる。
55 それらの文字列は以下のように置き換えられる。
56 .TP 
57 \fI$ORIGIN\fP (\fI${ORIGIN}\fP も同じ)
58 これは、 アプリケーションの実行ファイルが入っているディレクトリに展開される。 したがって、 \fIsomedir/app\fP に置かれたアプリケーションを
59
60     gcc \-Wl,\-rpath,\(aq$ORIGIN/../lib\(aq
61
62 でコンパイルすることで、 \fIsomedir\fP がディレクトリ階層のどこにあっても、 \fBld.so\fP は \fIsomedir/lib\fP
63 にある対応する共有ライブラリを見つけることができる。 この機能を使うと、
64 特別なディレクトリではなく任意のディレクトリにインストールしても「ややこしい設定なしで」独自の共有ライブラリを使えるアプリケーションを作成することができる。
65 .TP 
66 \fI$LIB\fP (\fI${LIB}\fP も同じ)
67 This expands to \fIlib\fP or \fIlib64\fP depending on the architecture (e.g., on
68 x86\-64, it expands to \fIlib64\fP and on x86\-32, it expands to \fIlib\fP).
69 .TP 
70 \fI$PLATFORM\fP (\fI${PLATFORM}\fP も同じ)
71 .\" To get an idea of the places that $PLATFORM would match,
72 .\" look at the output of the following:
73 .\"
74 .\"     mkdir /tmp/d
75 .\"     LD_LIBRARY_PATH=/tmp/d strace -e open /bin/date 2>&1 | grep /tmp/d
76 .\"
77 .\" ld.so lets names be abbreviated, so $O will work for $ORIGIN;
78 .\" Don't do this!!
79 This expands to a string corresponding to the processor type of the host
80 system (e.g., "x86_64").  On some architectures, the Linux kernel doesn't
81 provide a platform string to the dynamic linker.  The value of this string
82 is taken from the \fBAT_PLATFORM\fP value in the auxiliary vector (see
83 \fBgetauxval\fP(3)).
84 .SH オプション
85 .TP 
86 \fB\-\-list\fP
87 全ての依存関係とその解決法をリストする。
88 .TP 
89 \fB\-\-verify\fP
90 プログラムが動的にリンクされているかと、 動的リンカがそのプログラムを扱えるかを検証する。
91 .TP 
92 \fB\-\-library\-path PATH\fP
93 \fBLD_LIBRARY_PATH\fP 環境変数の設定ではなく、
94 指定した PATH を使用する (下記参照)。
95 .TP 
96 \fB\-\-inhibit\-rpath LIST\fP
97 LIST にあるオブジェクト名の RPATH と RUNPATH の情報を無視する。 \fBld.so\fP が set\-user\-ID か
98 set\-group\-ID されている場合、 このオプションは無視される。
99 .TP 
100 \fB\-\-audit LIST\fP
101 LIST で指定された名前のオブジェクトを監査者として使用する。
102 .SH ハードウェア機能
103 いくつかのライブラリは、(すべての CPU に存在するわけではない)ハードウェア固有
104 の命令を使ってコンパイルされている。そのようなライブラリは、
105 \fI/usr/lib/sse2/\fP のような、必要なハードウェア機能 (hardware capability) を規
106 定する名前のディレクトリにインストールすべきである。
107 動的リンカは、マシンのハードウェアに基づいてこれらのディレクトリを確認し、
108 指定されたライブラリに最も適したバージョンを選択する。
109 ハードウェア機能ディレクトリはつなげることができ、
110 複数の CPU 機能を組み合わることができる。
111 対応しているハードウェア機能名のリストは CPU に依存する。
112 現在のところ、以下の名前が認識される。
113 .TP 
114 \fBAlpha\fP
115 ev4, ev5, ev56, ev6, ev67
116 .TP 
117 \fBMIPS\fP
118 loongson2e, loongson2f, octeon, octeon2
119 .TP 
120 \fBPowerPC\fP
121 4xxmac, altivec, arch_2_05, arch_2_06, booke, cellbe, dfp, efpdouble,
122 efpsingle, fpu, ic_snoop, mmu, notb, pa6t, power4, power5, power5+, power6x,
123 ppc32, ppc601, ppc64, smt, spe, ucache, vsx
124 .TP 
125 \fBSPARC\fP
126 flush, muldiv, stbar, swap, ultra3, v9, v9v, v9v2
127 .TP 
128 \fBs390\fP
129 dfp, eimm, esan3, etf3enh, g5, highgprs, hpage, ldisp, msa, stfle, z900,
130 z990, z9\-109, z10, zarch
131 .TP 
132 \fBx86 (32\-bit のみ)\fP
133 acpi, apic, clflush, cmov, cx8, dts, fxsr, ht, i386, i486, i586, i686, mca,
134 mmx, mtrr, pat, pbe, pge, pn, pse36, sep, ss, sse, sse2, tm
135 .SH 環境変数
136 4 つの重要な環境変数がある。
137 .TP 
138 \fBLD_ASSUME_KERNEL\fP
139 (glibc since 2.2.3)  Each shared library can inform the dynamic linker of
140 the minimum kernel ABI version that it requires.  (This requirement is
141 encoded in an ELF note section that is viewable via \fIreadelf\ \-n\fP as a
142 section labeled \fBNT_GNU_ABI_TAG\fP.)  At run time, the dynamic linker
143 determines the ABI version of the running kernel and will reject loading
144 shared libraries that specify minimum ABI versions that exceed that ABI
145 version.
146
147 \fBLD_ASSUME_KERNEL\fP can be used to cause the dynamic linker to assume that
148 it is running on a system with a different kernel ABI version.  For example,
149 the following command line causes the dynamic linker to assume it is running
150 on Linux 2.2.5 when loading the shared libraries required by \fImyprog\fP:
151
152 .in +4n
153 .nf
154 $ \fBLD_ASSUME_KERNEL=2.2.5 ./myprog\fP
155 .fi
156 .in
157
158 On systems that provide multiple versions of a shared library (in different
159 directories in the search path) that have different minimum kernel ABI
160 version requirements, \fBLD_ASSUME_KERNEL\fP can be used to select the version
161 of the library that is used (dependent on the directory search order).
162 Historically, the most common use of the \fBLD_ASSUME_KERNEL\fP feature was to
163 manually select the older LinuxThreads POSIX threads implementation on
164 systems that provided both LinuxThreads and NPTL (which latter was typically
165 the default on such systems); see \fBpthreads\fP(7).
166 .TP 
167 \fBLD_BIND_NOT\fP
168 (glibc 2.2 以降) シンボルを解決した際、Global Offset Table (GOT) と Procedure Linkage
169 Table (PLT) を更新しない。
170 .TP 
171 \fBLD_BIND_NOW\fP
172 (libc5; glibc 2.1.1 以降)  空文字列でない場合、 動的リンカはプログラムの開始時に全てのシンボルを解決する。
173 空文字列の場合、解決しなければならない関数呼び出しが 最初に参照された時点で解決する。 デバッガを使っているときに役立つ。
174 .TP 
175 \fBLD_LIBRARY_PATH\fP
176 コロン区切りのディレクトリのリスト。実行時に ELF ライブラリを検索するディレクトリを指定する。 \fBPATH\fP 環境変数と同じように指定する。
177 set\-user\-ID/set\-group\-ID されたプログラムでは無視される。
178 .TP 
179 \fBLD_PRELOAD\fP
180 追加でユーザが指定する ELF
181 共有ライブラリのリスト。指定されたライブラリは、すべてのライブラリより前にロードされる。リストの区切りはスペースとコロンである。他の共有ライブラリにある関数を選択的に置き換えるために用いることができる。指定されたライブラリは「説明」の節で述べたルールを基いて検索される。
182 set\-user\-ID/set\-group\-ID された ELF
183 バイナリでは、スラッシュを含んだパス名のライブラリは無視され、標準の検索ディレクトリのライブラリはそのライブラリファイルの set\-user\-ID
184 許可ビットが有効になっている場合のみロードされる。
185 .TP 
186 \fBLD_TRACE_LOADED_OBJECTS\fP
187 (ELF のみ)  空文字列でない場合、 プログラムを普通に実行するのではなく、 \fBldd\fP(1)
188 を実行したときのように動的ライブラリの依存関係をリスト表示させる。
189 .LP
190 そして、それほど知られていない環境変数もある。 多くは廃れてしまったものか内部でのみ使用される環境変数である。
191 .TP 
192 \fBLD_AOUT_LIBRARY_PATH\fP
193 (libc5)  a.out バイナリにのみ使われる環境変数で、 \fBLD_LIBRARY_PATH\fP と同じ役割をする。 ld\-linux.so.1
194 の古いバージョンでは \fBLD_ELF_LIBRARY_PATH\fP もサポートしていた。
195 .TP 
196 \fBLD_AOUT_PRELOAD\fP
197 (libc5)  a.out バイナリにのみ使われる環境変数で、 \fBLD_PRELOAD\fP と同じ役割をする。 ld\-linux.so.1
198 の古いバージョンでは \fBLD_ELF_PRELOAD\fP もサポートしていた。
199 .TP 
200 \fBLD_AUDIT\fP
201 (glibc 2.4 以降)  他のオブジェクトよりも前に、別のリンカ名前空間 (そのプロセスで行われる 通常のシンボル結合 (symbol
202 bindigns) には関与しない名前空間) で ロードされる、ユーザ指定の ELF 共有オブジェクトのコロン区切りのリスト。
203 これらのライブラリを使って、動的リンカの動作を監査することができる。 set\-user\-ID/set\-group\-ID されたバイナリでは、
204 \fBLD_AUDIT\fP は無視される。
205
206 動的リンカは、いわゆる監査チェックポイント (auditing checkpoints)  において、監査 (audit)
207 ライブラリの適切な関数を呼び出すことで、 監査ライブラリへの通知を行う。監査チェックポイントの例としては、
208 新たなライブラリのロード、シンボルの解決、別の共有オブジェクト からのシンボルの呼び出し、などがある。 詳細は \fBrtld\-audit\fP(7)
209 を参照してほしい。 audit インタフェースは、Solaris で提供されているものと 大部分は互換性がある。Solaris の audit
210 インタフェースについては、 \fILinker and Libraries Guide\fP の \fIRuntime Linker Auditing
211 Interface\fP の章に説明がある。
212 .TP 
213 \fBLD_BIND_NOT\fP
214 (glibc 2.1.95 以降)  シンボルを解決した後、GOT (global offset table) と PLT (procedure
215 linkage table) を更新しない。
216 .TP 
217 \fBLD_DEBUG\fP
218 (glibc 2.1 以降)  動的リンカの詳細なデバッグ情報を出力する。 \fBall\fP に設定した場合、全ての動的リンカが持つデバッグ情報を表示する。
219 \fBhelp\fP に設定した場合、この環境変数で指定されるカテゴリのヘルプ情報を表示する。 glibc 2.3.4 以降、
220 set\-user\-ID/set\-group\-ID されたバイナリでは \fBLD_DEBUG\fP は無視される。
221 .TP 
222 \fBLD_DEBUG_OUTPUT\fP
223 (glibc 2.1 以降)  \fBLD_DEBUG\fP の出力を書き込むファイル。 デフォルトは標準出力である。
224 set\-user\-ID/set\-group\-ID されたバイナリでは、 \fBLD_DEBUG_OUTPUT\fP は無視される。
225 .TP 
226 \fBLD_DYNAMIC_WEAK\fP
227 (glibc 2.1.19 以降)  上書きされる弱いシンボル (昔の glibc の挙動を逆にする)。 セキュリティ上の理由から、glibc
228 2.3.4 以降、 set\-user\-ID/set\-group\-ID されたバイナリでは \fBLD_DYNAMIC_WEAK\fP は無視される。
229 .TP 
230 \fBLD_HWCAP_MASK\fP
231 (glibc 2.1 以降)  ハードウェア機能のマスク。
232 .TP 
233 \fBLD_KEEPDIR\fP
234 (a.out のみ)(libc5)  ロードする a.out ライブラリの名前において、ディレクトリを無視しない。 このオプションは用いるべきではない。
235 .TP 
236 \fBLD_NOWARN\fP
237 (a.out のみ)(libc5)  a.out ライブラリにおけるマイナーバージョン番号の非互換に 対する警告メッセージを抑制する。
238 .TP 
239 \fBLD_ORIGIN_PATH\fP
240 .\" Only used if $ORIGIN can't be determined by normal means
241 .\" (from the origin path saved at load time, or from /proc/self/exe)?
242 (glibc 2.1 以降)  バイナリへのパス (set\-user\-ID されていないプログラムについて)。 セキュリティ上の理由から、glibc
243 2.3.4 以降、 set\-user\-ID/set\-group\-ID されたバイナリでは \fBLD_ORIGIN_PATH\fP は無視される。
244 .TP 
245 \fBLD_POINTER_GUARD\fP
246 (glibc 2.4 以降)  0 に設定すると、ポインタ保護 (pointer guarding) が無効になる。
247 それ以外の値の場合はポインタ保護が有効になる。 デフォルトはポインタ保護有効である。
248 ポインタ保護はセキュリティ機構の一つで、書き込み可能なプログラムメモリ に格納されたコードへのポインタをほぼランダム化することで、
249 攻撃者がバッファオーバーランやスタック破壊 (stack\-smashing) 攻撃の際に ポインタを乗っ取ることを困難にするものである。
250 .TP 
251 \fBLD_PROFILE\fP
252 (glibc 2.1 以降)  プロファイルを行う共有オブジェクト。 パス名か共有オブジェクト名 (soname) で指定される。 プロフィールの出力は
253 "\fI$LD_PROFILE_OUTPUT\fP/\fI$LD_PROFILE\fP.profile" という名前の ファイルに書き込まれる。
254 .TP 
255 \fBLD_PROFILE_OUTPUT\fP
256 (glibc 2.1 以降)  \fBLD_PROFILE\fP の出力が書き込まれるディレクトリ。
257 この変数が定義されていないか、空の文字列が定義されている場合、 デフォルト値は \fI/var/tmp\fP となる。
258 set\-user\-ID/set\-group\-ID されたプログラムでは、 LD_PROFILE_OUTPUT は無視される。 出力ファイルは常に
259 \fI/var/profile\fP が使用される。
260 .TP 
261 \fBLD_SHOW_AUXV\fP
262 .\" FIXME
263 .\" Document LD_TRACE_PRELINKING (e.g.: LD_TRACE_PRELINKING=libx1.so ./prog)
264 .\" Since glibc 2.3
265 .\" Also enables DL_DEBUG_PRELINK
266 (glibc 2.1 以降)  カーネルから渡される補助的な (パラメータの) 配列を表示する。 セキュリティ上の理由から、glibc 2.3.4
267 以降、 set\-user\-ID/set\-group\-ID されたバイナリでは \fBLD_SHOW_AUXV\fP は無視される。
268 .TP 
269 \fBLD_USE_LOAD_BIAS\fP
270 .\" http://sources.redhat.com/ml/libc-hacker/2003-11/msg00127.html
271 .\" Subject: [PATCH] Support LD_USE_LOAD_BIAS
272 .\" Jakub Jelinek
273 デフォルトでは (つまり、この変数が定義されていない場合)、 実行ファイルと prelink された共有オブジェクトでは、それらが依存する
274 ライブラリのベースアドレスが尊重される一方、 (prelink されていない) position\-independent executables
275 (PIEs) と 他の共有オブジェクトでは依存するライブラリのベースアドレスは 尊重されない。 \fBLD_USE_LOAD_BIAS\fP
276 に値が定義された場合、実行ファイルと PIE のどちらでも ベースアドレスが尊重される。 \fBLD_USE_LOAD_BIAS\fP が値 0
277 で定義された場合、実行ファイルと PIE のどちらでも ベースアドレスは尊重されない。 set\-user\-ID や set\-group\-ID
278 されたプログラムでは、 この変数は無視される。
279 .TP 
280 \fBLD_VERBOSE\fP
281 (glibc 2.1 以降) 空文字列でない場合に、\fBLD_TRACE_LOADED_OBJECTS\fP
282 環境変数が設定されていれば、プログラムのシンボルバージョン情報を出力する。
283 .TP 
284 \fBLD_WARN\fP
285 (ELF のみ)(glibc 2.1.3 以降)  空文字列でない場合、解決されていないシンボルがあれば警告を出す。
286 .TP 
287 \fBLDD_ARGV0\fP
288 (libc5)  \fBldd\fP(1)  の引き数がない場合に、 \fIargv\fP[0] として使われる値。
289 .SH ファイル
290 .PD 0
291 .TP 
292 \fI/lib/ld.so\fP
293 a.out の動的リンカ/ローダ
294 .TP 
295 \fI/lib/ld\-linux.so.\fP{\fI1\fP,\fI2\fP}
296 ELF の動的リンカ/ローダ
297 .TP 
298 \fI/etc/ld.so.cache\fP
299 ライブラリを検索するディレクトリを集めたリストと、 共有ライブラリの候補の整列リストを含むファイル。
300 .TP 
301 \fI/etc/ld.so.preload\fP
302 プログラムの前にロードすべき ELF 共有ライブラリを スペースで区切ったリストが書かれているファイル。
303 .TP 
304 \fBlib*.so*\fP
305 共有ライブラリ
306 .PD
307 .SH 注意
308 \fBld.so\fP の機能は libc のバージョン 4.4.3 以上を用いてコンパイルされた 実行ファイルで使用可能である。 ELF の機能は
309 Linux 1.1.52 以降と libc5 以降で使用可能である。
310 .SH 関連項目
311 .\" .SH AUTHORS
312 .\" ld.so: David Engel, Eric Youngdale, Peter MacDonald, Hongjiu Lu, Linus
313 .\"  Torvalds, Lars Wirzenius and Mitch D'Souza
314 .\" ld-linux.so: Roland McGrath, Ulrich Drepper and others.
315 .\"
316 .\" In the above, (libc5) stands for David Engel's ld.so/ld-linux.so.
317 \fBldd\fP(1), \fBsln\fP(1), \fBgetauxval\fP(3), \fBrtld\-audit\fP(7), \fBldconfig\fP(8)
318 .SH この文書について
319 この man ページは Linux \fIman\-pages\fP プロジェクトのリリース 3.53 の一部
320 である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は
321 http://www.kernel.org/doc/man\-pages/ に書かれている。