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(split) LDP: Release pages for LDP v3.39.
[linuxjm/LDP_man-pages.git] / release / man7 / standards.7
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9 .\"
10 .\" The GNU General Public License's references to "object code"
11 .\" and "executables" are to be interpreted as the output of any
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21 .\" License along with this manual; if not, write to the Free
22 .\" Software Foundation, Inc., 59 Temple Place, Suite 330, Boston, MA 02111,
23 .\" USA.
24 .\"
25 .\"*******************************************************************
26 .\"
27 .\" This file was generated with po4a. Translate the source file.
28 .\"
29 .\"*******************************************************************
30 .TH STANDARDS 7 2009\-06\-01 Linux "Linux Programmer's Manual"
31 .SH 名前
32 standards \- C と UNIX の標準規格
33 .SH 説明
34 多くのマニュアルページの「準拠 (CONFORMING TO)」の章は、 そのページに記載されたインタフェースが準拠する
35 各種の標準規格を示すものである。 以下にこれらの標準規格の簡単な説明を記す。
36 .TP 
37 \fBV7\fP
38 ベル研究所による元祖 UNIX である Version 7。
39 .TP 
40 \fB4.2BSD\fP
41 カリフォルニア大バークレー校 (the University of California at Berkeley)  によりリリースされた
42 \fIBerkeley Software Distribution\fP リリース 4.2 によって規定された、実装に基づく標準規格
43 (implementation standard)。 バークレーによるリリースの中で TCP/IP スタックとソケット API
44 を含む最初のリリースである。
45
46 これより前のBSD の主なリリースとしては \fI3BSD\fP (1980), \fI4BSD\fP (1980), \fI4.1BSD\fP (1981) がある。
47 .TP 
48 \fB4.3BSD\fP
49 1986 年にリリースされた 4.2BSD の後継。
50 .TP 
51 \fB4.4BSD\fP
52 1993 年にリリースされた 4.3BSD の後継。 バークレー (Berkeley) による最後の大きなリリースである。
53 .TP 
54 \fBSystem V\fP
55 AT&T の商用 System V (5) リリースの 1983 年版により規定された 実装に基づく標準規格。 一つ前の AT&T の大きなリリースは
56 1981 年にリリースされた \fISystem III\fP である。
57 .TP 
58 \fBSystem V release 2 (SVr2)\fP
59 System V の二番目のリリースであり、1985 年に作成された。 SVr2 は正式には 1985 年に発行された \fISystem V
60 Interface Definition version 1\fP (\fISVID 1\fP)  に記載されている。
61 .TP 
62 \fBSystem V release 3 (SVr3)\fP
63 SVr2 の後継。1986 年にリリースされた。 このリリースは正式には \fISystem V Interface Definition version
64 2\fP (\fISVID 2\fP)  に記載されている。
65 .TP 
66 \fBSystem V release 4 (SVr4)\fP
67 SVr3 の後継。1989 年にリリースされた。 このバージョンの System V については "Programmer's Reference
68 Manual: Operating System API (Intel processors)" (Prentice\-Hall 1992, ISBN
69 0\-13\-951294\-2) に記載されている。 このリリースは正式には \fISystem V Interface Definition version
70 3\fP (\fISVID 3\fP)  に記載されており、System V の最終的なリリースと考えられている。
71 .TP 
72 \fBSVID 4\fP
73 System V Interface Definition version 4。 1995 年に発行された。 インターネットでは
74 http://www.sco.com/developers/devspecs/ で入手できる。
75 .TP 
76 \fBC89\fP
77 最初の C 言語の標準規格である。 ANSI (American National Standards Institute) により 1989
78 年の承認された (\fIX3.159\-1989\fP)。 時には、この規格は \fIANSI C\fP とも呼ばれるが、 C99 も ANSI
79 標準なので、この言い方はあいまいである。 この規格は 1990 年に ISO (International Standards
80 Organization) による 承認も受けており (\fIISO/IEC 9899:1990\fP)、 そのため \fIISO C90\fP
81 として参照されることもたまにある。
82 .TP 
83 \fBC99\fP
84 C 言語の標準規格のこの改訂版は ISO により 1999 年に承認された (\fIISO/IEC 9899:1999\fP)。
85 http://www.open\-std.org/jtc1/sc22/wg14/www/standards からオンラインで入手可能である。
86 .TP 
87 \fBPOSIX.1\-1990\fP
88 "Portable Operating System Interface for Computing Environments".  1990 年に
89 ISO により承認された、IEEE 1003.1\-1990 part 1 (\fIISO/IEC 9945\-1:1990\fP)。 "POSIX"
90 という言葉は Richard Stallman が初めて作った。
91 .TP 
92 \fBPOSIX.2\fP
93 IEEE Std 1003.2\-1992.  コマンドとユーティリティについて説明が書かれており、 1993 年に ISO により承認された
94 (\fIISO/IEC 9945\-2:1993\fP)。
95 .TP 
96 \fBPOSIX.1b\fP (以前は \fIPOSIX.4\fP とも言われた)
97 IEEE Std 1003.1b\-1993.  移植可能なオペレーティングシステムのためのリアルタイム機能について 記載されており、 1996 年の
98 ISO により承認された (\fIISO/IEC 9945\-1:1996\fP)。
99 .TP 
100 \fBPOSIX.1c\fP
101 IEEE Std 1003.1c\-1995.  POSIX スレッドインタフェースについて記載している。
102 .TP 
103 \fBPOSIX.1d\fP
104 IEEE Std 1003.1c\-1999.  追加のリアルタイム拡張について記載している。
105 .TP 
106 \fBPOSIX.1g\fP
107 IEEE Std 1003.1g\-2000.  (ソケットを含めた) ネットワーク API について記載している。
108 .TP 
109 \fBPOSIX.1j\fP
110 IEEE Std 1003.1j\-2000.  高度なリアルタイム拡張について記載している。
111 .TP 
112 \fBPOSIX.1\-1996\fP
113 POSIX.1 の 1996 年の改訂版。 POSIX.1b と POSIX.1c を取り込んでいる。
114 .TP 
115 \fBXPG3\fP
116 1989 年リリースの、マルチベンダによる業界団体である X/Open 社による \fIX/Open Portability Guide\fP
117 の最初の大きなリリースである。 この指針は POSIX 標準規格に基づいている。
118 .TP 
119 \fBXPG4\fP
120 1992 年にリリースされた、X/Open Portability Guide (移植性に関する指針)  の改訂版。
121 .TP 
122 \fBXPG4v2\fP
123 XPG4 の 1994年改訂版。 \fISpec 1170\fP とも呼ばれる。 1170 とはこの標準規格が定義しているインタフェースの数を表すものである。
124 .TP 
125 \fBSUS (SUSv1)\fP
126 Single UNIX Specification.  この規格は、XPG4v2 やその他の X/Open による標準規格 (X/Open Curses
127 Issue 4 version 2, X/Open Networking Service (XNS) Issue 4)  を再構成したものである。
128 この規格に準拠するシステムは \fIUNIX 95\fP を名乗ることができる。
129 .TP 
130 \fBSUSv2\fP
131 Single UNIX Specification version 2.  \fIXPG5\fP と呼ばれることもある。 この規格は 1997 年に登場した。
132 この規格に準拠するシステムは \fIUNIX 98\fP を名乗ることができる。 http://www.UNIX\-systems.org/version2/
133 も参照のこと。
134 .TP 
135 \fBPOSIX.1\-2001, SUSv3\fP
136 これは POSIX.1, POSIX.2, SUS の 2001年の改訂版である。 また、POSIX.1, POSIX.2, SUS
137 を一つの文書に統合したものである。 この統合は Austin Group (http://www.opengroup.org/austin/)
138 の後援の元で行われた。 インターネットでは http://www.unix\-systems.org/version3/ で入手できる。
139 また、この規格に書かれているインタフェースについては Linux のマニュアルページ・パッケージの 1p, 3p セクションでも 参照できる
140 (例えば、"man 3p open")。
141
142 この規格では、 \fIPOSIX Conformance (POSIX 準拠)\fP と \fIXSI Conformance (XSI 準拠)\fP
143 の二段階の適合性を定義している。 \fIPOSIX 準拠\fP は準拠するシステムに必要とされるインタフェースの基本セットであり、 \fIXSI 準拠)\fP では
144 "XSI 拡張" という追加のインタフェース群が義務付けられている (POSIX 準拠では XSI 拡張の実装は任意 (optional)
145 となっている)。 XSI 準拠のシステムは \fIUNIX 03\fP を名乗ることができる (XSI 準拠の内容が \fISingle UNIX
146 Specification version 3\fP (\fISUSv3\fP)  である)。
147
148 POSIX.1\-2001 文書は 4つの部分に分けることができる:
149
150 \fBXBD\fP: 定義、用語と概念、ヘッダファイルの仕様。
151
152 \fBXSH\fP: 関数の仕様 (関数とは、実際の実装でのシステムコールと ライブラリ関数のことである)。
153
154 \fBXCU\fP: コマンドとユーティリティの仕様 (以前、 POSIX.2 に記載されていた内容)。
155
156 \fBXRAT\fP: 参考情報と規格のそれ以外の部分
157
158 POSIX.1\-2001 は C99 と整合がとられており、 C99 で標準化されたライブラリ関数は POSIX.1\-2001 でも 標準化されている。
159
160 元の 2001 年版の標準に対する Technical Corrigenda (正誤表; 細かな修正と改良) が二つ行われている: 2003 年の
161 TC1 (\fIPOSIX.1\-2003\fP と呼ばれる) と 2004 年の TC2 (\fIPOSIX.1\-2004\fP と呼ばれる) である。
162 .TP 
163 \fBPOSIX.1\-2008, SUSv4\fP
164 POSIX.1/SUS の次の改訂版に関する作業は 2008 年に完了し承認された。
165
166 この改訂版での変更は POSIX.1\-2001/SUSv3 で行われた変更ほど大きくないが、
167 多くの新しいインターフェイスが追加され、既存の仕様に関しても 種々の詳細が変更されている。 POSIX.1\-2001 では任意 (optional)
168 とされていたインターフェイスの多くが 2008 年版の標準では必須 (mandatory) になる。 POSIX.1\-2001
169 に存在するインターフェイスのいくつかは、 POSIX.1\-2008 では廃止予定の印が付けられたり、 標準から完全に削除されたりしている。
170
171 改訂された標準は POSIX.1\-2001 と同じく 4 つの部分に分けられ、 前回と同様に二段階の適合性を定義している。 基本セットである
172 \fIPOSIX Conformance (POSIX 準拠)\fP と、 基本仕様のインターフェイスに加えて追加のインターフェイス群が 義務付けられている
173 \fIXSI Conformance (XSI 準拠)\fP の二つである。
174
175 一般には、マニュアルページの「準拠」の章のリストに POSIX.1\-2001 が あれば、他に注意書きがなければ、そのインターフェイスは
176 POSIX.1\-2008 にも準拠していると考えてよい。
177
178 詳しい情報は Austin Group のウェブサイト http://www.opengroup.org/austin/ に載っている。
179 .SH 関連項目
180 \fBfeature_test_macros\fP(7), \fBlibc\fP(7), \fBposixoptions\fP(7)