release/man7/udplite.7

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  22 .\"
  23 .\" $Id: udplite.7,v 1.12 2008/07/23 15:22:22 gerrit Exp gerrit $
  24 .\"
  25 .\"*******************************************************************
  26 .\"
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  28 .\"
  29 .\"*******************************************************************
  30 .TH UDPLITE 7 2008\-12\-03 Linux "Linux Programmer's Manual"
  31 .SH 名前
  32 udplite \- 軽量なユーザーデータグラムプロトコル
  33 .SH 書式
  34 \fB#include <sys/socket.h>\fP
  35 .br
  36 .\" FIXME . see #defines under `BUGS',
  37 .\"        when glibc supports this, add
  38 .\"        #include <netinet/udplite.h>
  39 .sp
  40 \fBsockfd = socket(AF_INET, SOCK_DGRAM, IPPROTO_UDPLITE);\fP
  41 .SH 説明
  42 これは RFC\ 3828 に書かれている軽量なユーザーデータグラムプロトコル (Lightweight User Datagram Protocol;
  43 UDP\-Lite) の実装である。
  44
  45 UDP\-Lite は UDP (RFC\ 768) の拡張で、可変長のチェックサムをサポートしている。
  46 このプロトコルが効果を発揮するのは、少しだけ壊れたデータグラムがあった場合に、 そのデータグラムを下位レイヤーのプロトコルに廃棄させるのではなく、
  47 それを利用することができるような、ある種のマルチメディア転送においてである。
  48
  49 可変長のチェックサムの対象範囲は \fBsetsockopt\fP(2)  オプション経由で設定される。 このオプションが設定されていない場合、UDP
  50 と異なるのは 違う IP プロトコル識別子 (IANA 番号 136) を使用する点だけである。
  51
  52 UDP\-Lite の実装は \fBudp\fP(7)  の完全な拡張、すなわち API と API の動作は同じである。 これに加えて、2
  53 つのソケットオプションがチェックサムの対象範囲を 制御するために提供されている。
  54 .SS アドレスのフォーマット
  55 UDP\-Litev4 は \fBip\fP(7)  で説明されている \fIsockaddr_in\fP アドレスを使用する。 UDP\-Litev6 は
  56 \fBipv6\fP(7)  で説明されている \fIsockaddr_in6\fP アドレスを使用する。
  57 .SS ソケットオプション
  58 UDP\-Lite のソケットオプションを設定/取得するには、 オプションレベル引き数に \fBIPPROTO_UDPLITE\fP を指定して、取得時には
  59 \fBgetsockopt\fP(2)  を、設定時には \fBsetsockopt\fP(2)  を呼び出す。さらに、全ての \fBIPPROTO_UDP\fP
  60 のソケットオプションが UDP\-Lite ソケットでも使用できる。 詳細は \fBudp\fP(7)  を参照のこと。
  61
  62 以下の 2 つが UDP\-Lite に固有のオプションである。
  63 .TP
  64 \fBUDPLITE_SEND_CSCOV\fP
  65 このオプションは送信側のチェックサムの対象範囲を設定する。 \fIint\fP 型を引き数として取り、設定可能な値の範囲は 0 から 2^16\-1
  66 までである。
  67
  68 値 0 はデータグラム全体が常にチェックサムの対象となることを意味する。 値 1〜7 は不正であり (RFC\ 3828 の 3.1
  69 章)、範囲の設定として最小値である 8 に切り上げられる。
  70
  71 IPv6 の jumbograms (巨大なデータグラム; RFC\ 2675) の場合には、 UDP\-Litev6
  72 のチェックサムの対象範囲は、RFC\ 3828 の 3.5 章にあるように、 先頭から 2^16\-1 オクテットまでに限定される。
  73 そのため、それより大きな値は 2^16\-1 に黙って切り詰められる。 現在の対象範囲の値を知りたければ、いつでも \fBgetsockopt\fP(2)
  74 を使って値を問い合わせることができる。
  75 .TP
  76 \fBUDPLITE_RECV_CSCOV\fP
  77 これは受信側のチェックサムの対象範囲を設定するもので、 使用される引き数形式と値の範囲は \fBUDPLITE_SEND_CSCOV\fP と同じである。
  78 このオプションは、部分的なチェックサム対象範囲を持つトラフィックを 有効にするのに必要なわけではなく、トラフィックフィルターとして機能する。
  79 このオプションが有効にすると、カーネルは指定されたチェックサム対象範囲 よりも「短かい」対象範囲を持つパケットを全て廃棄するようになる。
  80
  81 .\" SO_NO_CHECK exists and is supported by UDPv4, but is
  82 .\" commented out in socket(7), hence also commented out here
  83 .\".PP
  84 .\"Since UDP-Lite mandates checksums, checksumming can not be disabled
  85 .\"via the
  86 .\".B SO_NO_CHECK
  87 .\"option from
  88 .\".BR socket (7).
  89 \fBUDPLITE_RECV_CSCOV\fP の値が実際のパケットのチェックサム対象範囲よりも大きい場合、 受信したパケットは黙って廃棄される。
  90 ただし、システムログに対して警告メッセージが生成されるかもしれない。
  91 .SH エラー
  92 \fBudp\fP(7)  について書かれている全てのエラーは返る可能性がある。 UDP\-Lite 自体は新たなエラーは追加していない。
  93 .SH バグ
  94 .\" FIXME . remove this section once glibc supports UDP-Lite
  95 glibc によるサポートがない場合は、以下の定義を行う必要がある。
  96 .in +4n
  97 .nf
  98
  99 .\" The following two are defined in the kernel in linux/net/udplite.h
 100 #define IPPROTO_UDPLITE     136
 101 #define UDPLITE_SEND_CSCOV  10
 102 #define UDPLITE_RECV_CSCOV  11
 103 .fi
 104 .in
 105 .SH ファイル
 106 \fI/proc/net/snmp\fP \- UDP\-Litev4 の基本的な統計情報カウンター。
 107 .br
 108 \fI/proc/net/snmp6\fP \- UDP\-Litev6 の基本的な統計情報カウンター。
 109 .SH バージョン
 110 UDP\-Litev4/v6 は Linux 2.6.20 で初めて登場した。
 111 .SH 関連項目
 112 \fBip\fP(7), \fBipv6\fP(7), \fBsocket\fP(7), \fBudp\fP(7)
 113
 114 RFC\ 3828 for the Lightweight User Datagram Protocol (UDP\-Lite)
 115 .br
 116 \fIDocumentation/networking/udplite.txt\fP